人生意気に感ず「4月9日、対独戦勝記念日の意味は。ヒトラー夫妻の自殺を思う」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「4月9日、対独戦勝記念日の意味は。ヒトラー夫妻の自殺を思う」

◇少し前のある調査では中国を嫌いと思う人が80%もあると報じられていた。現在ロシアに関して同じ調査をしたら嫌いと応える人の割合は中国の比ではないだろう。連日のテレビはウクライナ戦争ばかりである。帝政ロシア時代の亡霊がプーチンの姿を借りて復活したのかと錯誤しそうだ。近づく5月9日はロシアの国民的祭日である。第二次世界大戦でナチスのヒトラーは旧ソ連と凄まじい死闘を展開した。一事はヨーロッパ全土を制覇したヒトラーの最大の誤算は広大なソ連に戦線を広げたことだった。この年、例年より厳しい冬の到来は早かった。しかし何よりも勝敗を決定づけたのは国土を焦土と化しても守り抜くというロシア国民の決意であった。反撃に転じたソ連軍の猛攻によりドイツは膨大な将兵の犠牲を生んで敗退した。ドイツは西部戦線でも敗退を重ねた。首都ベルリンにソ連軍は迫り、その砲声が轟く中、地下要塞ではヒトラーたちが終焉を迎えていた。ヒトラーが、この要塞でソ連軍が迫る中で愛人エバと正式に結婚し、続いて二人で自殺を遂げたのは1945(昭和20)年4月30日であった。次いで5月7日、ドイツは遂に無条件降伏した。このような経緯を経ての5月9日の対独戦勝記念日である。ソ連が崩壊した後、国民の多くはかつてのソ連を懐かしく思い、取り戻したいという願望を抱く人々も少なくないに違いない。しかし歴史の歯車を逆転させて現在の国際法を犯すことは許されないことだ。今日の国際秩序は第二次世界大戦の惨禍を踏まえて人間尊重という普遍的理念に基づいている。独裁者プーチンのウクライナ侵攻はこのような歴史的経緯を踏みにじるものだ。現在、世界の圧倒的多数が反ロシアで一致しているのはこのような歴史的大義を認めるからに違いない。

 ロシアの「対独戦勝」は、人類の敵ナチスを倒し祖国を救った点で金字塔を建てたことを意味する。しかしプーチンがこの日をウクライナ戦勝利に無理をして結びつけようとするのはこの金字塔に泥を塗ることを意味する。ウクライナの人々のマリウポリの戦い、そしてアゾフスターリの地下要塞の戦いは民主主義を守るという大義のための戦いである。プーチンに反対するあるロシアの富豪が「プーチンのプーチンによるプーチンのための戦い」だと糾弾した。この人の胸にはリンカーンの「国民の国民による国民のために政治」があったに違いない。5月9はプーチン及びロシア国民がどのような態度を示すか注目したい。(読者に感謝)