人生意気に感ず「ナチスの時代から学ぶものは。ドイツの奇跡の復興は偉大な文化力だった」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「ナチスの時代から学ぶものは。ドイツの奇跡の復興は偉大な文化力だった」

◇これが戦争の現実なのだ。これが世界の一体化と文明の進歩が飛躍的に進み人類が宇宙に進出しようとする時の現実なのだ。これは人間の本質が変わらないことを示すのか、それともロシアという国の特色なのか。私はかつて読んだ岩波新書の「ナチスの時代」(ヘルマンマウとヘルマンクラウスニック共著)を改めて読んだ。

 その中で描かれている驚くべき事実は第二次世界大戦末期に於けるドイツ東部でのソ連兵の残虐非道ぶりである。次のように記述されている。「ソ連軍による東ドイツの占領はドイツ国民の最悪の予想、いな西方世界の最悪の予想をも上回る結果をもたらした。殺人、放火、婦女暴行はソ連人によって勝利者の正当な特権と見なされた。東部のドイツ人住民はソ連の占領を逃れるため流浪の旅に出た。幾百万の人口移動が起こった」。この部分的な記述は現在のウクライナで起きている現実と重なるものだ。独裁者プーチンはどのような解決を考えているのか。人間の尊厳が軽視され人間の中にある獣性が解き放たれている。プーチンの内面として窺えるものはヒトラーの末期のそれと酷似していると見える。

 プーチンの末期を多くの専門家は悲観的に捉えている。そしてロシアは2回目の崩壊を迎えるだろうと見る人もいる。現在のプーチンのロシア国内支持率は80%を超えると言われる。この信じがたい数字の要因は国民が事実を知らされていないことである。国民が事実の全容を知った時、この数字は一挙に崩れロシアの第二の崩壊に繋がる可能性がある。その時ロシアは立ち上がることが出来るであろうか。壮大な空前の歴史の実験が展開しつつある。

◇ヒトラーによるドイツの崩壊とその後のこの国の立ち上がりは日本の歩んだ道と重なるだけに非常に示唆的である。奇跡と言われたドイツの復興を可能にした力はドイツ人の文化であった。ゲーテやベートーベンを生み数々の哲学者を輩出させた。遡ればルターの宗教改革もある。これらはドイツだけに止まらず人類全体の貴重な財産でもあった。ロシアが崩壊するかは未知数であるが仮に崩壊するとすれば、それを乗り越えた復興はロシア国民の底力にかかっている。それは広大無辺な国土と資源を真に生かせるかということである。核の使用はロシアの復興を非常に困難にするに違いない。ロシアの核使用を固唾をのんで見守っているのが北朝鮮であろう。この国の無謀な冒険主義の芽をつまねばならない。(読者に感謝)