人生意気に感ず「義勇兵が参加。娘が『パパは?』と。スポーツ界からの排除の動き」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「義勇兵が参加。娘が『パパは?』と。スポーツ界からの排除の動き」

◇ロシア軍の侵攻は激化し全世界を震撼させている。その衝撃波の端に日本人の義勇兵志願の問題がある。1日の時点で70人が志願したらしい。事務所で話題にすると娘が言った。「パパには志願の意志があるの?」。81歳の私はウクライナの市街戦で硝煙の中を走る姿を想像して胸を熱くした。

 バイデン大統領は一般教書演説で状況の一端を切り取って世界に示した。「ウクライナのゼレンスキー大統領や全国民の大胆不敵さ、勇気、決意が世界を鼓舞している。体を張って戦車を阻止する市民たち、学生から定年退職した教師まで誰もが祖国を守る兵士となった」。私は天安門事件で戦車の前に立ちはだかる少年の姿が全世界の注目を集めた事実を思い出した。しかし、あの時とは比較にならない程の世界の反応ぶりである。それは武力によって外国へ踏込んだ独裁者への怒り故である。ある日本人の専門家は興味ある指摘をする。ウクライナの戦う市民の最も有力な武器はSNSとスマホだと。これらの文明の利器は世界の人々を「鼓舞」する有力な武器なのだ。これらを駆使して生々しい現状を伝える兵士は世界のメディアにとってまたとない特派員的役割を果たしている。上記の指摘はこのことを雄弁に物語っているといえる。

 侵攻に反対する動きはスポーツ界にも及んでいる。国際パラリンピック委員会はロシアとベラルーシの選手の参加を認めないことを決定した。ウクライナに侵攻したロシアとそれを支援するベラルーシをスポーツ界から排除する動きが急速に広がっていることを受けての決定に違いない。それにしても開幕前日のこのような決定は極めて異例である。パラ委員会会長は「選手のせいではない。彼らの政府のせいだ」と語っている。オリンピック・パラリンピックを巡る政治的処分は南アのアパルトヘイトを理由とする例がある。悪名高かった人種隔離政策が差別を禁じた五輪憲章に反するとして選手の出場を認めなかったのである。ロシア政府は「恥としか言えない」と強く反発、またロシア・パラリンピック委員会は「パラリンピックの基本原則に矛盾する」と主張した。

◇ウクライナから脱出する人々の状況は空前の規模になっている。3日までに100万人を超え、今後数ヶ月で400万人に達するとの推察がある。その受入れ施設には市民らが毛布や食料などを持ち寄り善良の輪が広がっているという。このような状況を前にして、日本もぎりぎりの努力をすべきだと思う。人権の国日本の真価が問われているのだ。(読者に感謝)