人生意気に感ず「歴史の視点を教えた恩師。ロシアの恐怖を思う。傍観者はプーチン支持を意味する」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「歴史の視点を教えた恩師。ロシアの恐怖を思う。傍観者はプーチン支持を意味する」

◇現在私たちは大きな時代の転換点、そして歴史的な出来事の渦の中にいる。ブログで連日「ウクライナとロシアの侵攻」について書くことには格別な思いがある。これまで私はいろいろな歴史的出来事を書物にしたりしてきたが、いずれも後から振り返るものであった。ところが現在は生の流れの中に身を於いて現に起きていることを肌で受け止めているのだ。この状況を私の読者と共有したい。私の恩師林健太郎さんが私に言った。「政治には歴史の視点が欠かせない、歴史を活かした政治家になれ」。あれは私が県議選に出る前年の県民会館の小ホールであった。無名の新人は元東大総長来るということを大いに利用して当選を果たすことになる。不肖の弟子は政治の世界から別の舞台にシフトしても師の教えを胸に愚直に走り続けている。生きる世界が変わっても歴史の視点は大切であることを痛感しているのだ。

◇私は大学で西洋史を専攻した。アメリカの独立やフランス革命で流された人類の血は民主主義を支える普遍的価値として現代の世界を支える基盤の一つになっている。日本国憲法97条は訴える。「この憲法が保障する基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であり過去幾多の試練に堪えた侵すことのできない永久の権利である」大学時代は机上の学問として受け止めたものが現在のウクライナの戦争を通して胸の中に甦るようだ。私たちの多くは国家権力を怖い存在とは思わない。ロシアの独裁国家の権力と比較してそのことを痛感する。ロシアは怖い国であることは今更言うまでもない。政権に反対すれば最悪消されることを覚悟しなければならない。そういうロシアの国内で反政府のデモが各地で起きていることは私たちに大きな救い、民主主義の勝利を感じさせる。ウクライナ戦の開戦以来ロシアの抗議デモで拘束された人は5千人を超える。デモに参加した人の数はこの数百倍になるだろう。

 スイスに於ける人権理事会でロシアのラブロフ外相がオンラインで演説を始めた時のことである。議場の外交官全員が退席する光景が報じられた。この日国連本部でドイツ外相ベアボック氏は演説で訴えた。「我々は選ばなくてはならない。平和か侵略か、正義か強者の願か、行動か見て見ぬふりか」。よく練られた一言一句が歴史の試練と結びついて私たちの胸に突き刺さるようだ。傍観者であることはプーチンを支持することに繋がるのだ。(読者に感謝)