人生意気に感ず「アメリカの壮大な奴隷のドラマ。中屋ゼミの思い出。地下鉄道とは」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「アメリカの壮大な奴隷のドラマ。中屋ゼミの思い出。地下鉄道とは」

◇3月の「ふるさと塾」で取り上げるアメリカの奴隷制には格別な思いがある。思い出すのは大学時代に学んだ中屋健一先生のアメリカ史のゼミである。ゼミは少人数から成るから人気のあるゼミへの参加は厳しいのである。運良く参加できた私は壮大なアメリカ社会の動きに胸を躍らせた。このゼミは東大の教養課程のことでゼミの仲間には後に福井県一区から衆院議員になった松宮勲君もいた。そこで印象深く学んだアメリカの恥部奴隷制を数十年後の現在胸躍らせる思いで語ることに不思議な感を抱くのである。

◇私が取り上げたい一コマは奴隷救済の秘密組織「地下の鉄道」である。人間を「動産」として扱った奴隷制は正にアメリカの恥部であるがそれにもかかわらずアメリカの民主主義に人類史的な輝かしい救いを感じるのはこのような命がけの秘密組織の存在の例の故である。黒人の逃亡を助ける非合法の組織は鉄道に例えられた。「最終駅」は奴隷制のない安全地帯カナダであった。途中で助ける「駅員」にはクエーカー教徒、博愛主義者、民主主義者たち多くの人々があたった。これらの組織の「女性総合司令官」タブマンは奴隷から「黒人の女モーゼ」と慕われた。この組織は南北戦争にいたる約10年間におよそ300人の奴隷を逃亡させた。奴隷所有者は彼女の首に当時の金で4万ドルの賞金をかけたのであった。ベストセラーとなった小説「アンクルトムの小屋」を書いたストウ夫人もこの「地下の鉄道」運動に参加した一人であった。動乱のアメリカにあって死をも恐れない女性たち。彼女たちを動かしたものは奴隷の人権を救うという強い使命感であった。ここで示されたアメリカの民主主義の原点は普遍的な価値として今日も生きている。彼女等の姿は日本国憲法が基本的人権について「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」と謳い、「過去幾多の試練に耐え・・・侵すことのできない永久の権利」と訴えることと重なるものである。3月のふるさと塾では限られた時間の中で人権の問題として「地下の鉄道」にも触れたいと思う。(3月19日である)。

◇ロシア軍の一部撤収表明は虚偽らしい。攻撃が始まり死者が出ているという情報もある。国威発揚のためにドーピングまでする国の国威とは何か。終戦直後ソ連が北海道領有を求めたというが、もしそれが実現していたら日本にとって最大の悲劇となったに違いない。このような国と隣国として付き合う中で日本の安全保障は考えねばならないのだ。(読者に感謝)