人生意気に感ず「連合赤軍とダッカのハイジャック、甦る福田さんの理念。北京五輪にみる 中国の変化」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「連合赤軍とダッカのハイジャック、甦る福田さんの理念。北京五輪にみる 中国の変化」

◇上毛新聞の連合赤軍事件の連載を興味深く読んでいる。2月6日の1面には福田康夫先生の顔が登場した。日本中をテレビに釘付けにした浅間山荘の攻防が昨日のことのように思い出される。およそ50年前の雪の中の戦いは平和の日本での現実とは思えなかった。累積到達視聴率は98.2%という信じがたいものだった。民放はCMを削減して現場の光景を放映したのだ。

「赤軍」事件が世界を震撼させたのはその5年余り後のダッカ事件である。日本赤軍は日航機をハイジャックし仲間の釈放を要求した。この時の総理が故福田赳夫さんであり、その下で当時首相秘書官を務めたのが赳夫さんの長男で元首相の康夫さんであった。康夫さんは今回、当時の状況をリアルに振り返っている。複雑な国際関係、しかもテロに関する事件で日本がいかに自国の立場を貫くかは極めて今日的である。

◇福田赳夫総理は悩み抜いて決断を下した。犯人の要求を容れたのだ。世論は支持したが批判もあった。この決着の直後に西ドイツで同種の事件が起き、西ドイツは特殊部隊で制圧した。この二つは当然比較される。康夫さんは「あれ以外の判断はなかった」と日本の立場を振り返る。

 西ドイツの場合と状況が全く異なったのだ。主に次の点である。①バングラデシュ政府は日本の武器持ち込みを拒否した。②当時の日本には警察の介入部隊がなく又警官を海外に出す法的根拠もなかった。③現地でクーデターが起き空港内で戦闘になり一刻も速くハイジャック機を空港から出発させねばならなかった、等の状況である。

 赳夫総理は人命優先の理由の一つとして「人命は地球より重い」と語った。

◇私は人命優先のこの超法規的措置は日本国憲法の人間尊重の理念に合致していると思った。基本的人権・平和・国際協調は日本国憲法の重要な柱であり普遍的な原理である。赳夫総理は憲法には直接触れなかったが、「人命は地球より重い」という言葉に憲法の理念が凝縮されている。この事件は日本国憲法にとって大きな試練だった。多くの国民が福田首相の決定を指示したことは国民もこの試練に耐えたことを意味する。

◇北京五輪が華やかに展開されている。中国政府は米中対立の中で中国の力を世界に示すために必死である。五輪を成功させれば私の友人の中国人の鼻が一層高くなるだろう。中国の最近の動きは劇的である。米中対立がそれを後押しする。14億人の人口を対象にして国内の消費に力を入れようとしている。この動きは中国の文化にも変化を及ぼしている。中国の若者が自国の伝統や中国製品に自信を持ち始めている。日本製品の爆買いにも変化が現れるのではないか。(読者に感謝)