人生意気に感ず「尾身朝子の国会発言の意義。予算委50人中女性は3人でいいのか。スパコン富岳は訴え | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「尾身朝子の国会発言の意義。予算委50人中女性は3人でいいのか。スパコン富岳は訴え

◇先月31日の尾身朝子氏の予算委に於ける質問姿勢にはこの人がテーマに懸ける静かな決意があふれていた。テーマは「科学技術イノベーション推進」及び「女性活躍の推進」であった。科学技術の推進は朝子氏がライフワークの一つと考える課題である。それは父親尾身幸次氏が科学技術立国に政治生命を懸けた姿の影響があった。しかしその他に現在の環境問題、新型ウイルスとの闘い、高齢者福祉等の解決に科学技術の推進が不可欠であるとの強い信念があったのだ。朝子氏のこの日の岸田総理に迫る姿にはこの思いが強く感じられた。

◇しかしこの日の質問で彼女の執念ともいうべき迫力が伝わったのは「女性活躍の推進」であった。「予算委員50人のうち女性はなんと3人しかいません」。首相以下の各大臣を初め並いる予算委の席上に朝子氏の声が響いた。朝子氏は世界のジェンダー格差で日本は156カ国中120位であること特に政治分野で低調であることを指摘した。そして男女共同参画の時代に於いてこの状況を打開するには女性議員を増やす法律をつくるべきだと鋭く指摘し、「パリテ法」を例に挙げたのだ。パリテ法はフランスに於いて政党に男女同数の候補者の擁立を義務づけるもの。

 私は憲法14条の平等規定を頭に描きながらこれを聞いた。同条はすべて国民は平等であって性別によって差別されないことを定める。現在の日本の停滞の要因は女性に十分な活躍の場を与えないことにある。朝子氏の発言の重要性について心ある人々は深く頷いたに違いない。岸田首相は女性参画拡大は「民意を反映する上で極めて重要である」と述べた。政府に真にやる気があるならこの日の朝子氏の発言を真摯に受け止めて行動に移すべきだ。朝子氏としても政権の弱腰に悲観することなく世論に対して大胆なアピール活動を展開すべきである。

 朝子氏の発言は国権の最高機関たる国会、そして最重要な予算委での発言なのだ。待ったなしの内憂外患の打開にも結びつく論点なのだから眠っている政界に一撃を与えねばならない。

◇オミクロン株についてスパコン富岳の衝撃の分析が公表された。マスクなして2mの距離だと15分の会話で感染率は60%、マスクをつけても50cm以内で15分会話すると20~30%の確率で感染するというのだ。スーパーコンピューター富岳を運用する理化学研究所の発表である。冷徹な超科学の目はコロナ戦の大詰めに当たり改めて対策の基本を守るべきことを訴えている。(読者に感謝)