「東大駒場寮時代を振り返る。全国議長会に出る」 2006年1月27日(金)
※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。
ホリエモンと光クラブのことを書いたら、私のころの学生の様子を知りたいと要望があった。
昭和
30年代後半の駒場は活気があった。私は丸2年寮にいたのでいろいろな人間と身近に接した。入学して間もないころは、天下を取ったように有頂天になってふわふわしているもの者もいた。また、狂人のように来る日も来る日もマイクを握って演説している男もいた。これらは、今から振り返ると世の中を全く知らない幼稚な若者の姿であり、また、受験勉強一筋に注いできたエネルギーを、学生運動という新しい目標に単純に向けかえた姿でもあった。彼らもやがて冷静になり、そして、世の中に出て現実に直面し、大なり小なり挫折感を味わい、自分の非力を知り、新しいスタートを決意するのである。
しかし、彼らが、世の厳しい現実を知らないままに大金をつかんだり、権力を握ったならどういう結果になるだろう。その先に待ち受けるもっと大きな壁につき当たるに違いない。ホリエモンの挫折を思い出してしまう。
最近駒場寮は取り壊されてなくなった。それは、東大が変わることの象徴的な出来事に思える。大学の在り方が変わり、日本の教育が変わる。教育は、立身出世の手段ではなくなった。
「全国議長会に出た」(26日)
国会のあたりでは、先の選挙でライブドアの社長をかついだ自民党幹部を攻撃する街宣車がスピーカーのボリュームをあげて走っていた。
この会で得た情報の中のいくつか紹介したい。まずは、議長会が出していた要望事項で近く実現の見込みのものを二つ。
①現在は自治体の長に認められる議会招集権を議長にも与えようとするもの。新しい方向は議長に臨時会の招集請求権を与えることになるもよう。
②専決処分の要件の見直し。専決処分とは、議会の議決をまっていられないとき、先に、執行することである。その要件をもっと明確化する方向が検討されている。①、②、とも地方分権の時代に対応して、議会の立場を強化することを目的としている。
「この議長会で、道州制についての講演を聞いた」
将来、県を廃止して全国をいくつかのブロックに分けようとするものである。県の仕事の多くは市町村に譲り、国の仕事も本来国がやるべき国防、外交、金融などに限定し、その他は、ブロックにゆずる。国と地方の役割分担を再検討して、地方の力をアップしようとするもの。つまり、地方分権をすすめることが狙いである。平成の大合併で地方は大きく変化するが、道州制が実現すれば、日本のかたちが更にかわる。まだ先のことではあるが、首相の諮問を受けて現実に検討が行なわれているのだ。群馬県は周辺の県と合併して一つのブロックの中に入って消えてしまうかも知れない。歴史の大きな歯車の音が遠くから聞こえてくるようだ。皆で、話題にして考えようではないか。
(県議会と群馬の活力を願って。読者に感謝)