人生意気に感ず「御嶽海の優勝に思うこと。冬の北京五輪と環境問題」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「御嶽海の優勝に思うこと。冬の北京五輪と環境問題」

◇23日、御嶽海が横綱照ノ富士を制して優勝を果たした。コロナ禍ということもあって、私は初日から観戦し、いつもと違う御嶽海を応援していた。横綱との決勝戦を制した瞬間、観客席で抱き合う姿がクローズアップされた。母親と娘であろう。驚いたのは君が代が歌われる時である。アナウンサーの声が響いた。「皆さんコロナ禍なのでマスクのまま心の中でお歌い下さい」。この放送は前代未聞のこと。私にはコロナに勝った声に聞こえた。マスクで総立ちの姿は荘厳さに包まれていた。その光景は、オミクロン株の猛攻の中で人間が勝利した姿に見えた。御嶽海優勝で沸き立つ中で臨時理事会招集の報が流れた。大関昇進が決まるのだ。インタビューでこの喜びを誰に一番先に伝えたいかと聞かれ御嶽海は「両親に報告したい」と答えていた。

◇私は今回の観戦で一戦一戦に勝負をかける若手力士の姿に心を打たれた。かつて八百長で騒がれたことがあったがそのような影は微塵も感じられなかった。横綱を破って殊勲賞を得た阿炎を初めとして力士たちの躍動する筋肉の背景を想像する。解説者の言葉の端端からも日頃の猛練習が窺える。相撲は瞬間に賭けるスポーツである。日頃の苦しい修行の成果が一瞬で決まる。この瞬間に前夜から策を練って眠れない時を過ごす力士も多いに違いない。コロナのお陰というべきか。私は今回初めて大相撲をじっくりと味わった。国技という盤石の基盤に立った健全なスポーツの奥深さを垣間見た感じである。

◇スポーツといえばオリンピックである。東京五輪パラリンピックがコロナ禍の下、薄氷を踏む思いで終えた。と、思う間もなく北京冬季五輪が目前に迫り政治との面倒な関わりに揺れている。中国の人権問題への批判である。しかし冬季五輪には別の大問題が結びついていることを忘れてはならない。環境問題である。地球温暖化のため雪の条件を満たす国が少なくなっている。その上競技場整備のため広大な自然を壊さねばならないのだ。夏の五輪と大きく異なる点である。北京冬季五輪は環境への配慮を最も重視するが広大な自然保護区が壊される恐れがあるという。人工雪に頼らねばならず水不足も深刻で、それは環境を傷つけることにつながるという。温暖化が進む中で将来冬季五輪が開ける都市は日本の札幌市くらいに限られてくるという専門家もいる。北京五輪の行方を人権問題に加え、環境の面からも注目したいと考えている。ちなみに札幌市は30年冬季五輪に手を挙げている。(読者に感謝)