人生意気に感ず「米中の間にあって日本が果たすべき役割は。聖徳太子の故事は教える」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「米中の間にあって日本が果たすべき役割は。聖徳太子の故事は教える」

◇中国人・日本人双方の相手国に対する印象が最近最悪である。私は群馬県日中友好協会会長としてこの事態に憂慮している。日本側から見て中国への悪感情は最近の中国の国際秩序無視に一因があるのは間違いないだろう。それに加えてコロナ禍での両国民の直接交流の激減もあるだろう。こんな中、求められて中国問題をどう考えるかを書くことになった。その一端をここで述べたいと思う。

 中国の力の増大に伴い米中の対立は激化している。その間に立って日本の役割は困難かつ重大である。先ず日米同盟は日本にとって不可欠であるが日中関係も不可欠な存在である。両者の間に立って無定見にアメリカ追随一辺倒でよいのかが問われている。来年は日中国交正常化50周年に当たる。そして中国は重大な変貌の時を迎えようとしている。対内対外共に重大な問題を抱え、対外的には孤立化の波の中で日本を大変重要視していると思われる。日本は二つの超大国の間にあって対立を調整するという絶好のカードを握り得る立場にある。それを可能にするためには中国の動きを大局的に捉え日本の役割と使命を戦略的に考えねばならない。

◇鄧小平は社会主義を基本にしながら経済資本主義を取り入れようとし膨大な人口を活かして世界の工場へと舵を切った。当然矛盾が生まれる。貧富の格差である。社会主義は本来平等の筈なのにという声に対し鄧小平は「先富」という理屈を主張した。先に豊かになる者があってもよいというのだ。しかし現実には格差は広がる一方であった。これに対し最近習近平主席は格差を縮小して社会全体が豊かになる「共同富裕」を打ち出している。

◇これを実現するために日中が協力できる分野は非常に大きい。例えば「環境」と「高齢化」の問題である。中国は世界一のCO2排出国であり世界最速で高齢化が進行している。そこでは日本型の介護が求められていると言われる。これらの分野で日本の技術とノウハウを役立てるべきである。

◇私は聖徳太子の有名な故事を思い出す。「日本が昇る国の天子が日が沈む国の天子に挨拶」と書いたのだ。激怒した皇帝はやがて日本を理解して進んだ文化を日本へ移すことに協力したのである。これは真の友情を築くために必要なことは何かを時を超えて伝えている。それは勇気と定見である。日本が文明史的役割を果たせるか否かが試されている。(読者に感謝)