人生意気に感ず「国連総会に於けるバイデン・習近平両氏の発言の意味、及び日本の役割」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「国連総会に於けるバイデン・習近平両氏の発言の意味、及び日本の役割」

◇戦後76年を経て世界の現状は信じ難い程ダイナミックである。政治的に際立つのは米中の対立である。バイデン氏はアメリカを立ち直らせることが出来るのか。新たな冷戦が始まるのか。地球の破滅が叫ばれる環境問題、コロナとの闘いの行方、これらの中で日本の役割と使命は何か。これらの問題を考える上で重要な参考資料となるのがバイデン大統領及び習近平主席の演説である。

 バイデン氏の演説の背景には9・11(世界同時多発テロ)からアフガン撤退までの流れがある。最近9・11、20周年記念式典に於ける演説があったのは最近9月21日の国連総会の演説は前者と違った意味で重要である。なぜなら重なる部分はあるものの国連演説は世界に対するメッセージであり日本に関わる点は特に大きいからである。

◇バイデン氏はアフガン後に取り組む問題として新型コロナウイルス、気候変動、先端技術、貿易、経済のルール、大国間競争などをあげる。そしてこれらを同盟国、友好国と協力して取り組むと強調する。ここで大国間競争として中国とロシア、特に中国を意識していることは明らかである。

 中国との対抗となれば地政学的にも日本の役割は非常に重要である。米中と深い関わりを持つ日本は現在絶好のチャンスと重い責任を担っていることを私たちは自覚すべきだ。

◇習主席の国連演説はバイデン演説と対比し今後の国際関係、そして日本の役割を考える上で非常に重要である。習主席の演説で注目される点を挙げると「民主主義はどこかの国の専売特許ではない。外部による軍事干渉と民主化は害を無限に残す」これはアメリカのアフガニスタン政策を批判したことは明らかである。また「中国は決して他国を侵略したり覇権を求めない」、「国家間の立場の違いは避けがたいが対話すべきだ。ある国の成功が他の国の失敗を意味するわけではない」これは米中の共存を訴えるものである。また新しい冷戦を避けようとする意図でありバイデン氏の主張と一致するものだ。

習氏の発言でバイデン氏のそれと同じ方向だなと感じられるのはワクチンと環境である。習氏はこの2点につき「ワクチンを世界の公共財にしなければならない」、「中国は海外で新たな石炭火力発電所の建設を中止する」と発言した。世界の二超大国が環境とワクチンで同方向を目指す意義は大きい。日本の次期総裁もこの世界の大きな流れを意識し覚悟しなければならない。(読者に感謝)