人生意気に感ず「菅総理の説明不足の意味。バイデン大統領の演説に思う」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「菅総理の説明不足の意味。バイデン大統領の演説に思う」

◇総裁選討論会で各候補が菅総理の説明不足を指摘した。菅さんには朴訥な面が窺えそれは信頼感を与える要素でもある。しかし一国のトップ・総理ともなるとパフォーマンスも求められる。コロナ克服等で実績もあるだけに私の胸には同情も湧く。

 説明責任には二つの面があると思う。一つは国民の協力を得るため情報を提供することである。これは国民にとっては知る権利の前提であり民主主義の基盤を創るものだ。もう一つは、市民の心に刺激と勇気を与えるもので日本の政治家に欠けている要素でもある。その好例として、バイデン大統領の演説をあげることができる。9・11後20周年の追悼式典である。バイデン氏のアフガン情勢に対する判断ミスが内外から指摘されていた。式典の演説の中にいくつか普遍的理念の輝きを示すものがある。「我々は人間の暗部を目の当たりにした。イスラム教を信仰する米市民に対する恐怖、怒り、恨み、暴力だ」

 当時、テロと無関係な米市民に対する誹謗中傷や暴力が相次いだ。宗教による差別は民主主義の否定でありアメリカ建国の原点にも反するもの。そしてアメリカ市民の分断に繋がる。バイデン氏の演説はアメリカの理念をもってする全国民へのメッセージであった。

 演説は重ねて訴えた。「結束は同じものを信じるということではない。互いに対する、米国に対する敬意と信頼によって成るもの。米国は誰もが平等だという理念に基づく唯一の国だ」

 日本の政権はこれに劣らない日本の誇りを掲げ、それに続けて具体的なコロナへの行動を求めて欲しかった。誇りとは「日本は有史以来の敗戦による瓦礫から心を一つにして立ち上がり世界に誇る平和国家民主国家を築き上げた」点である。伝統と文化の国日本にはアメリカのような分断はない。この力をもってすればコロナや環境破壊といった未曾有の国難も必ず乗り越えられることを訴えるべきだった。

◇最新の世論調査では当選に大きな意味をもつ議員票に於いて岸田氏が首位に立ち、河野氏・高市氏がこれを追う展開らしい。恐らく河野・岸田の決戦投票になるのではなかろうか。

 内閣支持率は11ポイント上層して37%になった。退任表明後のこの状況につき菅総理の心中はいかがなものであろうか。菅さんは総裁選では河野氏を支持すると言われる。29日の投開票に向けて状況は変化する可能性が高いと思われる。(読者に感謝)