「天皇の結婚、女帝」 2005年11月17日(木) | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

「天皇の結婚、女帝」 2005年11月17日(木)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

11月16日、女帝について、男女平等との関係を問われるた。

  天皇家の清子さんが結婚された。皇后様は、娘を抱きしめて「大丈夫よ」と語りかけたという。未知の世界に飛び込む我が子の姿に、宮中に入った時の昔の自分の姿を重ねていたのかも知れない。その朝の清子さんの静かな笑顔が印象に残る。

 私の周囲の人たちは、良い結婚式だとお二人の船出に好感を持っている。独身主義ということが一つのライフスタイルと受け取られるような風潮があるが、この御結婚が結婚と家庭を見直す一つの契機になればと願う。

 このところ皇室への関心が高まっているらしい。ある人が私にたずねた。「女の天皇を認めるかどうか議論されていますが、男女平等なのだから当然ではないですか。認めないことは憲法違反ではないですか」というもの。

 結論からいえば憲法違反ではない。憲法は、天皇については、平等原則の例外を認めているからである。憲法は、皇位は世襲のものと定める。世襲制は、生まれによって人に特権を与えるから平等に反することになる。憲法は、人間の平等を大原則としながらも、天皇については、このように例外を認めているのである。従って、女性の天皇を認めなくても憲法違反ではないが、逆に、女性の天皇を認めることも、もちろん憲法違反ではなく、私は、良いことだと思う。

 女性天皇の誕生は、一般国民の女性の地位の向上には良い影響があるだろうし、世の中が、ぱっと明るくなるかも知れない。私の妻などは大賛成である。我が家は妻の権力が強いが、女性の天皇が誕生した場合、便乗して我が家にも女帝が誕生する懸念もある。

  歴史上は、推古天皇、皇極天皇、持統天皇、孝謙天皇など8人の女性天皇がいる。尚、世間には、女性天皇に反対論もある。三笠宮様は、先日、疑問を表明されておられた。

  質問に答える形で天皇のことに触れたが、最近、憲法改正がにわかに大きな問題になってきた。憲法は、私たち国民にとって最も大切な問題なので、関心を高めなくてはいけないと思う。それにはきっかけが要るが、「天皇」は、その良い例ではないか。

  近頃の朝日新聞の「声」の欄には、天皇に関する意見が時々載る。今月7日には2つの投稿が取り上げられていた。1つは、天皇制を日本の文化として後世に引き継ぐべきだというもので、もう1つは、天皇は、人間なのに象徴とは気の毒すぎる、というもの。関心を持っているとこのような話題が見つかる。それを自分たちの話題にして憲法問題の意識を深めていくことが大切だ。