人生意気に感ず「アフガンの行方。離陸の機体にしがみつく民衆、アメリカの凋落の始まりか」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「アフガンの行方。離陸の機体にしがみつく民衆、アメリカの凋落の始まりか」

◇アフガニスタンの混乱は私たちの想像をはるかに超えるものらしい。全土を制圧したタリバンは「国民を傷つけない」、「恩赦を与える」と強調しているが、その恐怖を一番知っているのは民衆なのだ。公開処刑、手足の切断、女性への徹底した蔑視などだ。

 首都カブールの空港の状況は民衆がいかにタリバンを恐れているかを雄弁に物語っている。空港には国外脱出を望む数千人が滑走路に殺到した。離陸する米軍機にしがみつき離陸した機体から民家の屋根に振り落とされた様子がSNSで拡散された。

 このような極度の混乱を生んだ一因は米軍が一気に撤退することを決めたからだ。米軍は圧倒的な軍事力を持っていたのだから「段階的撤退」を実施すべきだったのは間違いない。米中ロの世界の対立の構図の中でアメリカの失敗を最も喜んでいるのは中ロに違いない。

 バイデン大統領は撤退の正当性を強調する。確かにアフガニスタンの治安はアフガニスタン政府の責任である。米軍の支持を受けながらこの政府は戦う意志を放棄した。「主役のアフガン政府が戦わないのに米兵が戦って死ぬべきではない」この部分のバイデン氏の理屈は分かる。しかし、「それでも」である。空港に殺到し飛び立つ機体にしがみつく民衆まで生じさせた事態は繰り返しになるがバイデン氏の責任だと思う。トランプのアメリカ第一主義と変わらないという声が湧き上がっている。「発つ鳥跡を濁さず」の真逆の事態が生じてしまった。賽は振られてしまったのだから今後いかにしてアフガニスタンを正常化させるかが国際社会の責務である。9・11の同時多発テロ以来20年間で最大の犠牲を払ったアメリカである。その間の数千人のアメリカ人の命を無駄にすべきではない。私はそれを見守りたい。アメリカが超大国の地位から転落するか否かはそれに懸かっている。アメリカと運命共同体にならぬよう日本の生きる道を真剣に考えねばならない。

◇パラリンピックが目前に迫った。人権、平等、平和というオリンピックの精神が最も発揮されるのがこの障害者の祭典である。手や足を失った女性が宙に舞い、脊髄損傷の若者が車イスをぶっつけ合う。これは世の中の全ての障害者及び健常者に夢と勇気を与える。東京五輪と一体のものでありその仕上げにふさわしい。それがコロナ禍の真ただ中で行われる。これも何かのめぐり合わせの気がする。力いっぱい声援を送ろうではないか。(読者に感謝)