人生意気に感ず「制御不能の東京。同時多発テロの映画を観た、十字軍の繰り返しか」
◇全国的に「感染爆発」の状況となった。31都道府県で新規感染者数が最も深刻なステージ4(感染爆発)となった。感染力が強いデルタ株の置き換わりが9割に達している。国民的行事、お盆が始まり多くの人が故郷に帰ろうとする。東京の状態は来る所まで来て「制御不能」だという。多くの命が危機に晒されている。重症者が増えているのだ。県内の状況はというと、感染者は1万人を超え死者の累計は155人に達した。
世界の状況は一体化しているから感染状況は世界の状況と比較することが重要である。その感染者は2億400万人を、死者は431万人をそれぞれ超えた。世界戦争の状態は不変なのだ。人類が開発した有力な武器ワクチンの効果はどうなっているのかもどかしく思う。
◇私が今回の東京五輪で秘かに恐れていたのはテロであった。平和の国日本は無防備に等しく隙だらけの国と言われているからだ。特に懸念されたのは屋外で多数の選手が動くマラソンであった。沿道で多くの警察官の姿が目についた。世界的にテロの動きが活発化し始めた折でもあった。
私の人生で最も衝撃的な光景の一つは2001年の同時多発テロである。世界で最も豊かな国アメリカの象徴ともいえる世界貿易センターの2つのビルがテロに屈しあっけなく崩れ落ちたのだ。それを機にアメリカはイラクとアフガンを攻撃した。あれから20年が経ちバイデン大統領はアフガニスタンからの完全撤退を表明した。これにより押し込められていたタリバン勢力が息を吹き返し彼らによる全土の制圧が目前の状態となっている。壮大なアメリカの復讐劇は感情まかせの空振りだったのか。数千人の若いアメリカ軍兵士の犠牲は犬死にだったのか。
◇これを機に私は映画「ユナイテッド93」をDVDで改めて観た。9月11日4機がハイジャックされたがユナイテッド93だけが目標に到達しないで墜落した。管制塔内の光景は迫真の緊張を伝え息詰まるものである。2つの巨大ビルに旅客機が突き刺さる様を見て私は日本の特攻隊を想像した。テロの立案者はかつての日本の戦術を参考にしたのかと一瞬思ったのである。ユナイテッド93は自爆に終った。国防総省まで襲った同時多発テロは結局何だったのか。アメリカへの憎悪の現われであったが、それに対するアメリカの復讐が更に反米感情を生み多くの民間人が犠牲になる。かつての十字軍戦争の更生かと思わせるものがある。(読者に感謝)