人生意気に感ず「五輪を振り返って。八村と池江に深く感動。パラリンピックに期待」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「五輪を振り返って。八村と池江に深く感動。パラリンピックに期待」

◇戦いの中で嵐は去った。コロナによる中止もテロも地震もなく東京五輪が終ったことにホッとしている。意義があるのかと、開くことにも批判と反対があった。私は改めて今やってよかった、出来てよかったと思う。「無観客」などは大したことではない。これだけ技術が発達した時代である。家でテレビにかじりつく限りなく多くの人々も「観客」である。大切なのは選手たちが必死でつくり出した「感動」と「大会の意義」を分けて考えることである。感動はメダルの数が物語っている。金27・銀14・銅17は五輪の歴史に永遠に輝くだろう。大会の意義は少し時が経ってから冷静に分析する必要があるが、現時点でも高く評価できる。結果論ながら最大の国難の中でやればできることを世界に示したのだ。天文学的な費用となったがそれ以上の金にかえられないものを得たのだ。感動と大会の意義は別ではあるが両者は密接である。バッハIOC会長は8日の総会で「亡霊のような大会と言う人もいたがアスリートが魂を持ってきてくれた。正しいタイミングで開催されたと自信をもって言える」と評価した。確かな理念が伝えられない五輪だったという指摘がある。しかし「友情、連帯、フェアプレーの精神」という五輪憲章の掲げる理念を多くの人々が熱い胸で受け止めたのは間違いない。

◇今回の五輪は大切な理念として「多様性」を高く掲げた。多様性とは色々な違いを尊重し合うことだ。ほぼ単一民族から成る日本にとって大いに学ぶべき点である。憲法14条は平等の理念をあげて「人種信条性別社会的身分門地」による差別を禁じる。多様性はこれを実現する重要な要素である。バスケの八村塁はアフリカ出身の父をもつハーフである。八村が日本人として活躍する姿は多様性の象徴といえる。池江璃花子が難病のどん底から立ち上がって示した成果は無限の勇気を私たちに与えてくれた。美しい笑顔は地獄の釜の中から這い上がったことが信じられない。今大会で全ての選手が必死でがんばった姿の象徴である。

◇菅首相との電話会談でバイデン大統領は「素晴らしい成果を収めた」と祝意を述べ、首相はパラリンピックにつき「安全安心な大会に向け全力を尽くす」と決意を伝え協力を求めた。平等、多様性、人権を掲げる大会にとってハンディを抱えるパラリンピックこそ最も意義ある祭典であるべきだ。24日からの選手たちの活躍に大いに期待したい。(読者に感謝)