オリンピック特集「コロナは洪水の如く。ハーフの100キロ級と寝技一筋に拍手」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

オリンピック特集「コロナは洪水の如く。ハーフの100キロ級と寝技一筋に拍手」

◇コロナの勢いは大洪水のようだ。1日の新規感染者は1万人を超えた。政府は埼玉・千葉・神奈川と大阪府に緊急事態宣言の発令方針を固めた。そして山本知事は「本格的な第5波に突入した」と危機感をあらわにした。

 そんな中で依然としてメダルラッシュは進む。コロナ禍の下で、これに対する不平等不公平の評価は当たらない。一般論として通常の場合の開催国の有利性は当然であるが、今回はコロナ下での開催というむしろ開催国としての異例な国難性があった。逆境の中で力を発揮している国民性を高く評価すべきであり、また誇りとすべきなのだ。これを天が与えた好機と捉え私たちは日本のスポーツ文化、ひいては国力の増進を図るべきだと考える。

◇第7日、金メダルは新たに2個を加え計15個となった。共に柔道である。男子100キロ級のウルフ・アロンと女子78キロ級の浜田尚里である。この若者たちの意外性に注目する。一方はその名が示すようにハーフであるがその歩みを知れば、より日本人的である。そして日本の柔道が国際化の中でますます多様性の中に入ったことを知るのである。一方浜田については寝技一筋である点に驚きを感じるのだ。

 ウルフは父が米国出身で母が日本人である。6歳で柔道を始め、東海大浦安高時代から猛練習に耐えた。「誰よりも日本人らしい」と自負する。日本の文化をその巨体によってよい家族とともに受け止めて生きていることがよく分かる。ウルスが100キロ級で金を獲ったことで日本の柔道が変わると思う。様々な格闘技の要素も加味しなければ本家の存在は守れないのだろう。しかし、日本の柔道の本筋を失ってはならない。武道の本流を守りながら多様性の波を生き抜くことが日本柔道の課題である。礼に始まり礼に終る。勝者は敗者をいたわる。これを形だけのものにしてはならない。

◇寝技一筋にかけて金を得た浜田の笑顔は爽やかだった。私は長いこと柔道に関わってきて投げ技で決めることが柔道の理想だと思ってきた。しかし浜田の寝技一筋15年の姿を見て自分の考えを改めようと思う。私の理解が浅かったのである。世の中には「寝技師」というようなマイナスに響くイメージがあるが、それは柔道とは無縁の世界のものだった。浜田さんの存在は日本の柔道に新しい1頁を開くことになるだろう。改めて深く敬意を表し祝福したい。(読者に感謝)