人生意気に感ず「デスバレーの高温は他人事ではない。熱海の土砂災害は人災。群馬の安全神話を否定せよ | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「デスバレーの高温は他人事ではない。熱海の土砂災害は人災。群馬の安全神話を否定せよ

◇西部カリフォルニア州のデスバレーで9日、54.4度の信じがたい高温が記録された。これは1931年7月のチュニジアの記録に次ぐものだという。専門家は「気候変動の影響」を指摘する。米西部一帯はこのところ記録的な熱波に見舞われておりカリフォルニア北部やオレゴン州などでは既に山火事が起きている。例年のように起きている大規模な山火事がアメリカではこの夏も繰り返されるのだろうか。

地球は一つであるから異常気象はアメリカだけの問題ではない。地球全体が狂い出したのだ。静岡県熱海市の大惨事、9日から続いている九州南部の記録的大雨などは決して他人事ではない。明日は群馬と考えねばならないのだ。専門家は最近の異常は一過性の現象ではない。それは今後益々厳しくなると指摘している。だから河川対策は根本から発想の転換を図らねばならない。

 災害への対策は官民一体で当たらねばならない。それを今回のウイルス対策で私たちは身にしみて痛感したものである。河川の工事や山岳の土砂対策には多くの民間の企業が関わる。熱海市の土砂崩れは大変な犠牲者を出しているがそれは「人災」であることが明らかになった。法の基準に反した盛り土、産廃物が埋められていた事実などは驚くばかりだ。恐らく手抜き工事や違法工事は各種の分野に多く存在するに違いない。監督官庁は発想の転換を図って大災害の時代に臨まねばならない。工事に関わる企業や民間人も単に物をつくるという意識を変えねばならない。土木工事は社会の安全と人の命を守る神聖な仕事であることを認識すべきであるし、それを担保できるような法制度も整備して行かねばならない。

◇「群馬は大丈夫」という安全神話が依然として存在していると思う。それは大自然を極く短いスパンで見ているからであり、また歴史に学ぼうとしない人間の思い上がりに違いない。

 818年弘仁の赤城南麓の大地震、1783年天明の浅間の大噴火を忘れてはならない。また昭和22年のキャサリン台風の被害などは記憶に生々しいものだ。私は自分の仕事にも関係して吾妻側の沿岸を草津に向うことが多い。その時いつも道に沿って垂直に立つ高い絶壁を見上げて身震いする。ここに今各地で起きている「線状降水帯」が襲ったら、或いは「大雨特別警報」や「緊急安全確保」が出されたら断崖絶壁はその下の人も家も一気に押し潰すのではないか。想像するだけでぞっとする。(読者に感謝)