人生意気に感ず「天皇の懸念と五輪。中国共産党の百年記念日に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「天皇の懸念と五輪。中国共産党の百年記念日に」

◇東京五輪開幕に向けてカウントダウンが始まった。正に国をあげての行事なのに世論はコロナのために分断している。このような時天皇陛下のお立場は非常に重要である。なぜなら天皇はまず東京五輪・パラリンピックの名誉総裁でこの行事の顔であるからだ。しかし、それ以上に重要なのは憲法との関係である。憲法は定める。「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である」、「天皇は国政に関する権能を有しない」このような状況の下で天皇がこの行事に関し感染拡大を「懸念されている」と報じられた。宮内庁長官がそう拝察していると発言した。

◇仮に天皇が五輪・パラリンピックに反対の考えを表明すれば憲法に違反する恐れが生じる。「国政に関する権能を有しない」とは政治的発言を禁じることを意味する。政府は天皇が政治的発言をしたことを否定するのに躍起である。世論の五輪中止論が強まることを恐れ長官の個人的見解であると繰り返し説明している。

 しかし、国民は正直である。多くの国民は天皇がコロナ感染を心配し五輪開催を望んでいないと受け取っているに違いない。私も天皇の真意はそこにあると思う。しかし、ことは憲法上の重大事である。事実は分からないが、宮内庁長官に「拝察」をさせるようなことはあってはならないと思う。ことに今回のことは全世界が関わることである。外国に誤ったメッセージとなって伝わる恐れもあるのだ。

◇今日7月1日、中国共産党は創建100年を迎える。子どもの頃、「支那に4億の民がいる」と歌われた。私は三国志の国として中国の動きに注目してきた。眠れる獅子と言われたが列強に踏みにじられ貧しい国だった。ところが今や人口は16億を超え世界第二の経済大国である。米中の対立の時代となりその間に立つ日本の役割は日毎に高まっている。百年の記念日に思うことは共産党の独裁がいつまで続くのかである。多くの矛盾を抱えている。新疆・ウイグル・チベットなどの少数民族と人権の問題はその最大のものだ。百年の間には天安門事件のような大きな誤りも犯した。コロナ禍の下で世界の民主制度の真価が問われている。変貌する中国は政治制度の実験場でもある。権力が強大になればなるほどそれを抑制するメカニズムがないことが心配なのだ。民主主義は権力を国民の力で抑制する仕組みである。効率は悪いが大きな価値を理解しなければならない。ただ、日本国憲法も万全ではない。コロナはそれを教えているし、中国百年の歴史もそれを示唆している。(読者に感謝)