人生意気に感ず「命をかけた赤木ファイル。学長選考会議の議長として。立花隆氏の死に思う」
◇赤木ファイル開示問題は歴史に残る事件になるだろう。政治・行政への信頼を傷つける出来事は連日検挙にいとまなしの状況であるが、この事件の背景は行政の犯罪的行為ここに極まるの感があるからだ。国会答弁が迫る中で財務省の局長から現場の職員赤木さんにほころびが生じないよう文書改ざんの直接の指示がなされた。それに抵抗した赤木さんは自ら命を絶ったのだ。
赤木ファイルは赤木さんの妻の必死の一念で世に出た。妻には仇討ちの決意があったに違いない。ファイルについて赤木さんの妻雅子さんは語った。
「どんなに辛い思いをして残したかと思うと胸がつまる思いです。夫の最後の声だと思うのでちゃんと読んで欲しいです」
また、この人は裁判を起こした理由について語る。
「組織にいると上に言われたことに抵抗が出来ずにずるずるとやらされてしまう。こういうことが二度とないように裁判で訴えたいのです」
この表現、「上に抵抗出来ずにやらされる」は巨大官庁の実態を示すものだ。赤木さんは死をもって抵抗し、妻は裁判で仇を討とうとしている。仇討ちというと前近代的に思えるがこの妻の必死の行いで情報開示に至った。妻の行為は民主主義の根幹を守る意義があるのだ。
◇23日、県公立大学法人(健科大と女子大)の理事会、評議会及び県立女子大学長の選考会議があった。選考会議では私が議長を務め、小林良江現学長を次期学長候補者として選考した。
役員会ではコロナ禍で行われたリモート授業に関してそのメリットとデメリットについて教育の本質に関わる議論が行われた。結論的には対面授業が優れている。学生の顔が見えるので理解の状況が分かるのだ。一方リモート授業の利点は学生は繰り返し資料を検討できる等である。今後の方針として「対面」を基本に据えて「リモート」をいかに利用するかが重要だということになった。
◇当選した小林良江氏は次のような抱負を語った。「だた県立女子大に入りたいではなく、各学科の特色によって高校生に選んでもらえるという特色ある大学作りに務めたい」
◇評論家であり著述家の立花隆さんの死を知り驚いた。田中角栄を追い詰めた「田中角栄研究」はその後の週刊文春の詳細な調査して事実を暴露するというスタイルの原点になったと言える。私と同年齢80歳であった。事実をもって示すことに国家権力も対抗できなかった。「ペンは剣より強し」という民主主義の根幹を身を以て示した人生であった。(読者に感謝)