人生意気に感ず「中国の人口情勢。四面楚歌の国はどこに。北へ旅する象の集団は何を訴えるか」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「中国の人口情勢。四面楚歌の国はどこに。北へ旅する象の集団は何を訴えるか」

◇中国の人口事情は深刻である。私は群馬県日中友好協会会長として中国の現状を、固唾を呑む思いで見ている。公表する人口は14億を超えた。国力はピークに達しているが一党独裁の巨大国家は足下から崩れる危機を抱えている。その中心は人口問題である。長い間の一人っ子政策のつけが訪れている。従来、農業に重点があったこともあって、一人しか産めない場合、人々は男の子を重視した。政策のつけとは女性の数の減少である。現在の中国は深刻な嫁不足の状態にある。現在の中国男性は豊かな経済力をもたないと嫁さんをもらえないらしい。一人っ子政策は既に過去のものとなった。しかし若い夫婦は二人、三人の子どもを持とうとしない。子育ての負担を避け自由な人生を楽しもうという空気が支配的になっているようだ。中国は急激に豊かになった。豊さは心の自由を求める。共産党の一党独裁は自由を厳しく規制する。私はこの問題を考える時1989年の天安門の惨劇をただちに想像する。言論の自由の行く手には冷厳な戦車が待ち受けている。しかし人々の心の中まで戦車で抑え込むことは不可能であることを最近の状況は示している。若者は自由な生活を楽しむために「一人っ子」を生活設計の基本に据えているようだ。結婚すら避ける女性が増えているといわれる。それは女性が一人で生きることを可能にしているからだ。

◇現在、「米中戦わば」ということが盛んに言われている。覇権を争う中国の勢いを見て、中国はアメリカを抜くと見る人は多い。しかし中国の人口状態の先行きを悲観的に見る人は中国の力は少子高齢化によって急速に衰えるだろうと見る。四面楚歌の国はこの歴史的窮状からいかに抜け出すのだろうか。三国志の国は、グローバル化した舞台に立って三国志から学ぼうとしているに違いない。アメリカ・EU・ロシア・日本は魏・呉・蜀のいずれにあたるか。息を呑む瞬間は続く。

◇中国にほっとするような珍現象が生まれている。15頭の象の集団が北を目指して旅を続けている。子象を中に入れ鼻で水道の蛇口をひねり黙々と進む一団は何を考え何を訴えようとしているのか。地球的な異常を察知してのことか、謎である。このまま北上して大都会に入ったら大変である。象は平和的な動物で子どもたちの憧れの的でもある。戦車の出動なくして無事に彼らの故郷に導いてやりたいものだ。(読者に感謝)