「野放し、自転車の交通違反。規制強化へ」2006年4月10日(月)
※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。
先日、私の車の前に、少年の自転車が飛び出して横切った。ヒヤッとして一瞬ぶつかったかと思った。また、車の接近を全く意に介さず道の中央に自転車を乗り出してくる高齢者をよく見かける。 自転車は、余りに手軽な交通手段であるためか、交通規則を守らない利用者が非常に多い。自転車には道交法が適用にならないと考えている人もいるようだ。自転車は、道交法の車両(軽車両)なのである。
県警が昨年一年間に違反者に出した警告は11万件を超え、そのうち半数以上が高校生だった。警察庁は、全国に通達を出して自転車の交通違反取締りを強化する。酒酔い運転、信号無視、一時不停止、無灯火等の悪質・危険な違反者は積極的に検挙する方針である。群馬県では、警告に従わなかった二人乗りの高校生が赤切符を切られた例がある(平成14年)。
自転車盗(窃盗罪)が非常に多いことと、自転車の交通違反が多いことには、関連があるような気がする。それは両者とも、微罪だから大したことはないという意識の下で行なわれると思われる点である。しかし、この「微罪意識」が人々の規範意識一般を麻痺させることとなり犯罪増加につながっているのではないか。
今日の社会が道徳的にも乱れ、金銭万能となり欺し合いのような状態にあることの一因は、社会規範を守るという意識(規範意識)が一般に薄くなっていることにあると思う。それは微罪だから許されるという「甘え」と「黙認」が土壌になっていると思われる。自転車の交通違反を厳しく取り締まることには、このような悪しき土壌を突き崩す意味がある。