「犯罪は減少、しかし、気になる少年犯罪」2006年3月11日 (土) | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

「犯罪は減少、しかし、気になる少年犯罪」2006年3月11日 (土)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

本県の治安については、この二月議会でも取り上げられた。おそらく犯罪防止推進条例の効果もあって、前年と比べ犯罪認知件数は約17%も減少した。しかし、少年犯罪には不気味な動きが見られる。

 昨年一年間に摘発された犯罪少年のうち、再犯者の割合が27、4%で、過去10年間で最も高くなっている。このうち、凶悪犯、粗暴犯では再犯率が5割に上る。また、非行の低年齢化も指摘されている。つまり、14歳未満の触法少年の摘発数も昨年は、過去10年間で最多となっている。そして、県警少年課は、少年犯罪は繰り返すうちに凶暴化、凶悪化する傾向があるとしている。

 非行に慣れ抵抗感が薄れて非行をエスカレートさせるのではなかろうか。だからこそ、犯罪の入口とされる万引きなどをしっかりと取り締まり、厳しく指導することが重要である。

 子どもたちには、遊び感覚で、あまり罪の意識もなく万引きをする傾向がある。万引きは窃盗という犯罪であることをきちんと教育の場でも教える必要がある。微罪として大目にみて許すことが、子どもたちをより重大な罪に進ませることになる。規範意識の欠如は、今日の社会の特徴であり、子どもはその影響を強く受けている。

 なお、犯罪少年とは14歳以上の少年で犯罪の要件を充たす行為をした者、触法少年とは、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年のこと。(刑法は14歳に満たざる行為は罰せずとしている)

「高齢者の犯罪が急増している」

 警察庁の統計によると65歳以上の犯罪が増え続け、昨年はじめて、全検挙者中に占める割合が1割を超えた。孤独感や病気そして生活難、ストレスなどが背景にあると考えられる。犯罪の種類では窃盗と殺人が多い。特に殺人罪の増加は深刻である。配偶者が被害者になる例が多いという。法務省は、来年度から高齢者犯罪の研究を始める。

 高齢化と共に核家族化が進み、更に格差社会の中で高齢者をかこむ経済環境が厳しくなっている。従って高齢者の犯罪は今後も増えることが予想される。このことは本県に於いても同様である。高齢者の犯罪が増える社会は健全な社会とはいえない。淋しい社会であり、病める社会である。高齢者を犯罪に走らせない対策、そして、高齢者が安心して暮せる社会を作らねばならない。

(犯罪のない地域社会の実現を願って。読者に感謝)