「再びサンパウロに」③ 2005年8月27日(土) | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

「再びサンパウロに」③ 2005年8月27日(土)

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。

 

グランメリアホテルの朝食は、御飯、味噌汁、納豆、焼き魚、漬物がそろっていてほっとした。イビラプエラ公園の中に「慰霊碑」と「日本館」がある。慰霊碑とは開拓者先没者をまつる碑。先に亡くなった人々なので先没者なのである。開拓で大変な苦労をされた方々の名を記した過去帳が保管されている仏像の前で線香をたいて祈った。その近くにある日本館は、桂離宮にならった建物で、池には沢山の錦鯉が泳いでいる。現天皇・皇后が、皇太子、同妃殿下のころの御手植えの松があり、その説明を記した書はアントニオ猪木の姉の御主人が書いたもの。小泉総理が植えた木の説明はアントニオ猪木の姉のもの。アントニオ猪木の姉・夫妻は、この地で初めて書を教える教室を開いたという。
 昼食は大衆が入るらしい食堂で、「フェイジョァーダ」と称する珍しいものを食べた。大きな椀に黒豆といっしょに得体のしれぬものがごたごた入っている。松田県人会長に説明を求めたら、食後の方が良いのですがと小声で話してくれた。豚の尻尾や足、その他普通では食べない部分を油で料理したもので、この地では力がつくということで有名な食べ物なのだそうで、昔奴隷が主人の食べない部分を料理したのが始まりとか。話を聞かない人はおいしそうに食べていた。食べ物にも民族の悲しい歴史が結びついているのだなと、どす黒い椀の中をのぞき込んだ。
 食事の後、持ってきたニッケイ新聞を開くと、「政治的賭け/驚きと静観」、「超異例の関心の高さ/世界のメディアが報道」と大きな見出しがおどる。世界のメディアは、造反議員への刺客候補やライブドアの堀江貴文社長の参戦などについて詳しく報じているとして世界の主要紙の論調をまとめている。いくつかを紹介すると、「今回の選挙を首相の郵政民営化を問う国民投票と位置づけた上で小泉指示を鮮明にした」(ワシントンポスト)、「古い日本の政治スタイルの終わりと新たな始まり」(ニューヨークタイムズ)、「小泉首相の賭けは成功しつつある」(ロサンゼルスタイムズ)、「美女戦術」(中国紙)、「絶妙な戦略」(韓国の中央日報)、などなど。

つづく