人生意気に感ず「2週間延長の意味。海外客なしの五輪。3月11日が近づく。田中の連載は佳境に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「2週間延長の意味。海外客なしの五輪。3月11日が近づく。田中の連載は佳境に」

◇菅総理は「2週間程度の延長」の方向を決断した。4都県の感染状況は減少速度が鈍化していた。深刻な状況の中味は変異ウイルスの増加、病床の逼迫などだ。都知事と3県の知事は解除に強い懸念を示していた。総理は世論を非常に気にしている。「後手後手」という批判があった。そこで自らの決断を先に示す必要があったのだ。総理が2週間の延長を記者に語ったのは3日午後6時半。実はその夜に小池都知事は記者団の取材に応じる予定だった。官邸の緊迫した動きが想像される。妥当な方向だと思う。仮に予定の7日に解除して、その後に感染爆発が起き再度緊急事態宣言を出すことになったら、菅政権は爆発力で吹き飛ぶような事態になりかねない。正に薄氷を踏むような状況なのだ。

◇五輪・パラリンピックをどういう形で開くかの決断が秒読み状況で決断を迫られている。最大の課題は海外客の受入れである。五輪の会場から前世界に感染爆発の波が広がることは絶対に避けねばならない。南海トラフ型の巨大津波に劣らぬ恐怖である。このことを考えれば海外客の受入れは無理に違いない。五輪・パラリンピックの関係機関は3月中に結論を出すらしいが、これら機関の中でも受入れは難しいとの見方が強まっている。

 情報伝達機器が最高度に発達している現代社会であるから、敢えて日本に来なくてもそれぞれの国でそれぞれの方法で競技を楽しむことが出来る。異常な事態下の開催なのだから異常な方法による開催はやむを得ないことだ。

◇3月11日が近づく。千年に一度と言われる正に悪夢であった。最近NHKが収録した津波の映像を見て息をのんだ。10年前テレビに釘付けになった光景であるが10年の歳月は同じ映像に別の意味を与えて私の胸に迫った。当時は分からなかった原発の被害、避難者の追い詰められた姿などが胸の中で重なっているからに違いない。映画の特撮もあれほどの迫力は出せない。黒い波が家々を呑み急斜面を駆け上る。泣き叫ぶ人々。阿鼻叫喚とはこのことだ。思えばこのような地獄の歴史にもなかったことが原発事故である。その後の調査は人災と結論づけた。真の文明とは何かを示す極致である。「真の文明は人を殺さず」と訴えた田中正造が原発事故を見たら何と言うだろうか。「わしの予言のようでがす」という声が聞こえるようだ。私の毎日新聞連載の「田中正造」も佳境に入った。(読者に感謝)