人生意気に感ず「橋本聖子に決まる。今後のカギを握るワクチンの行方。甦る田中正造と今日の政治」
◇森会長の後任が橋本聖子にやっと決まった。壮大なるドタバタ劇。森氏の組織委員会長は初めから不適任であった。自民党の古い体質を引きずっている偉大なる寝業師である。私は政治の世界に居て自民党の国会議員とは深く関わっていたので森さんのこともよく知っていた。オリンピックという最も男女平等とか人権感覚が問われる国際的舞台であった。「女性の話は長くなる」に象徴される不用意な発言がなかったらそのまま過ぎていったのだろう。ドタバタ劇の中で様々な人の名が浮かんだ。しかし、若い人、女性ということである程度初めから橋本聖子で決まっていたと思われる。ドタバタ劇の背後には菅総理の大きな存在があった。雨降って地固まるで良い結果になったと思う。しかしこれからが勝負の本番である。菅さんは起死回生の切り札として東京五輪・パラリンピックを考えている。その成否のカギであるワクチンも大きく動き出した。ワクチンの効果とは別にコロナ感染者が減りだした感がある。この流れをワクチンの力が加速できれば、例え無観客という限られた形でも実現が可能かもしれない。私はその方向を望んでいる。
◇ワクチン接種が現実に始まった。医療従事者からだ。「痛くなかった。副反応もない」と体験者が語っていた。1億人を超える感染者は国境、人種、宗教等、様々な壁を超えてコロナは前世界に広がってしまった。この大海のように広がったコロナにワクチンという武器がどこまで食い込めるのか。私たちの政治の陣営から見れば、今民主主義の勝敗もかかっている。壮大な歴史的実験とも見れる。
◇最近、長年関わってきたある国会議員と話した。この人は国会議員の不祥事が続く中で、秋の選挙に関して大きな危機感を語っていた。このような中で、毎日新聞(群馬版)に隔週土曜日連載の「よみがえる田中正造」が明日(20日)第33回となる。権力に抗して住民のために命をかけた生涯は正に現代に甦らせる意義がある。日光市足尾町のKさんに最近載った数編のコピーを送った。公害の原点に住むKさんは貴重な資料を提供してくれる。足尾銅山の鉱毒は閉山後も過去のものとなっていない。不気味な黒いカラミの山から、田中の叫び「真の文明は山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さざるべし」が聞こえてくる。Kさんは数日前の大地震の時、山の上の堆積物が崩れることを恐れたと語る。大雨が降れば川底の毒物の流出も懸念されるのだ。(読者に感謝)