「機上にて」2005年8月16日(火) その2 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

「機上にて」2005年8月16日(火) その2

日本航空62便は午後5時40分離陸。ロスまで9時間半のフライト。地上2万メートルの上空を時速900キロ以上のスピードで飛んでいる。機内の夕食を済ませ少し寝た。今、午後10時半である。機内の夕刊を見ると「宮城で地震6弱」、仙台などでけが人多数、東京の震度は4とある。高速道路のあの衝撃が「4」だったのだ。あの時、道路の街路灯が大きく揺れていたのが思い出される。ロスを目指す今、私の頭によみがえるのは平成元年サンフランシスコで遭遇した大地震のことだ。

それは、県議会の北米視察でカナダからサンフランシスコのホテルに到着した直後のこと。バスの中でガイドがそろそろ地震が来るかも知れないと言っていたが聞き流していた。私は町の空気が吸いたくて外に出て隣の店の2階にいた。いきなりドーンと突き上げるような衝撃が走り、まわりのショーケースは全て叩きつけられるように倒れた。女子店員は絶叫して床にひれ伏していた。外に出ると林立する高層ビルの全ての窓ガラスが割れ路上には剣のようなガラスの破片が足の踏み場もないほど落ちていた。ホテルの電気は止まりエレベーターも動かない。千名をこえる客はロビーに集まっていた。幸い全員無事であったが県議会事務局や家族は随分心配したらしい。記憶に残ることは、ロビーに集まった多くのアメリカ人が冷静でお互い助け合う雰囲気であったことだ。

ロスに向ってようやく出発。しばらく眠ってまた目を醒ます。午前2時、日本では17日に入った。ロスに到着まであと1時間ほど。機内に明かりがつき、朝食が配られ始めた。機は既にアメリカ西海岸の上空にある。やがて眼下に荒れた山肌がはっきり見えるようになり、ところどころに大きな農場も広がる。機はゆっくりと高度を下げ始めた。9時間以上かけて太平洋を越え北アメリカの西の端に触れようとしている。アメリカの巨大さを今更のように感じる。こんな国となぜ戦ったのか。一昨日の慰霊祭のことが頭をかすめる。耳がおかしくなった。高度がぐっと下がっている。いよいよロスに到着だ。
 無事にロスへ到着。するとロスの県人会の人はよかったよかったと温かく迎えてくれた。

 

※土日祝日は「議長日記」及び「議員日記」を連載します。上毛新聞社から出版したもので、議員時代の私の動きを海外の視察も含めて振り返ったものです。