人生意気に感ず「差別の象徴・黒人の死。抗議は燎原の火のように。奴隷商人の像が倒される。コロナ後の | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「差別の象徴・黒人の死。抗議は燎原の火のように。奴隷商人の像が倒される。コロナ後の

◇アメリカは感染者・死者ともに最悪である。そのコロナの真っ只中で黒人殺しが起き、その波紋と衝撃が世界に広がっている。私たちはこの二つが決して無縁でないことを知るべきだ。トランプは軍隊出動という強行策を表明したがそれは火に油を注ぐことになりアメリカの分断を加速させている。この二つに大統領選が重なって今やアメリカは狂乱の世界に見える。離れたところから「冷静な目」で見れば解決に向けた道筋が見える。冷静な目とは歴史を踏まえて考えることだ。アメリカは奴隷を抱えながら人間の平等を掲げて国を建てた。アメリカの歴史はこの矛盾を乗り越える道程で、遂に黒人大統領オバマを誕生させるに至った。この流れは普遍の価値を踏まえる故にアメリカは世界の指導者に成り得た。トランプのアメリカ第一主義は偏狭なナショナリズムに繋がる故にアメリカは世界の指導者の地位を失いつつある。これは何を意味するか。アメリカを一つにし、世界が手をつないで助け合うことの破壊である。これが人類の滅亡への道であることをコロナが教えている。コロナの渦の中で白人警官による黒人殺しが起きた。これに対する抗議の動きが燎原の火のようにヨーロッパで広がっている。これらの国々は自分たちの国にも人種差別があると叫んで大規模なデモを行っている。フランス革命の人権宣言に象徴されるようにこれらの国々を支える価値観は人間の平等であるからだ。人種差別が人々の協力を妨げている。コロナの克服には手を繋ぎ助け合うことが最も必要なことである。皮肉なことにコロナウイルスがそのことを教えている。

 イギリスのブリストルでは、抗議運動の中で奴隷商人の銅像が引き倒され海に投げ込まれた。かつて人類の恥である奴隷貿易が数世紀に亘って行われた。その象徴でもある奴隷商人の銅像が街の中心に立っていること自体が私には不思議だった。白人の市民はこの像につき「像は人間性に反する」、「白人優越の強いメッセージ」などと捉えていた。私はこれらの動きを見てコロナ後の世界は「人間の平等」が進むと思う。その力強い一歩が民主党のバイデンの大統領当選に違いない。

◇日本語学校で28日に行った私の講義を学生は静かに熱心に聴いた。テーマが「コロナウイルスの現状と行方」ということもあった。一度も大声で怒鳴らないですんだ。彼らのマスクからのぞく瞳は光っていた。(読者に感謝)