人生意気に感ず「独首相メルケルの言葉。本県の危機が迫る。「三密」の徹底を」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「独首相メルケルの言葉。本県の危機が迫る。「三密」の徹底を」

◇ドイツのメルケル首相は全国民に呼びかけた。それには危機に立つ宰相の姿勢として大いに学ぶべきものがある。ドイツの首相ということに私は特別のものを感じる。首相は「第二次世界大戦以来我が国に於いてこれほどまでに一致団結を要する挑戦はなかった」と訴える。安倍首相も戦後最大の危機を叫んでいる。日独両国は第二次世界大戦で廃墟となり共に奇跡の復興を果たした。生まれ変わった姿も共通している。三国同盟を結んだことが示すように両国は全体主義で自由や人権を認めない侵略国家だった。メルケルは次のように言う。「私たちはオープンな民主主義国家ですから私たちが下した政治的決定は透明性を持ち詳しく説明されなければなりません」。民主主義国家という言葉が私の胸に重く響く。

 メルケルが国民の理解を求める核心は次のことである。「コロナウイルスの治療薬もワクチンもまだ発見されていません。発見されるまでの間に出来ることが一つだけあります。それは感染拡大の速度を遅らせ、時間稼ぎをすることです」。この「時間稼ぎ」という表現は非常に分かりやすい。では時間稼ぎのための手段は何か。それは自由の制限であることを具体例を挙げて説明する。イベント・見本市・コンサート・学校・保育施設などの中止、旅行や公園で遊ぶことなどである。

 メルケルは自由の制限に関して更に言う。

「私たちはこの自由を苦労して勝ち取った。民主主義国家に於いてこのような制限は絶対に必要な場合にのみ正当化されます」。

 この「苦労して勝ち取った自由」につき、私は直ぐにベルリンの壁を思った。多くの人々が壁を越えようとして命を落とした。今、私の目の前にベルリンの壁の一片がある。平成3年の視察の際、現地で入手した物だ。当時私は生々しい弾痕を見て衝撃を受けた。メルケルは最後に極めて日常的なことを訴える。握手をしない、丁寧に頻繁に手を洗う、人と少なくも1.5mの距離を置く、お年寄りとのコンタクトを避けることなどである。安倍首相もこのような心あるメッセージを国民に発信すべきである。

◇県内でコロナ渦が不気味に広がっている。感染の累計は96人に達し、そのうち4人が死亡した。厚労省の調査では37.5度以上の発熱が4日以上の人が332人。私は氷山の一角だと思う。「三密」を徹底したい。危機打開は私達の手に。(読者に感謝)