人生意気に感ず「特殊詐欺と暴力団トップ。無期懲役に万歳とは」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「特殊詐欺と暴力団トップ。無期懲役に万歳とは」

◇振り込め詐欺などの特殊詐欺は現代社会の怪奇現象である。この形態の詐欺が発生して久しい。被害は一向に衰える風がない。昨年の認知件数は約1万6000件、被害額は360億円というから唯事ではない。犯罪は社会の実態から発生する。金を持つ高齢者の存在、人情の機微を突く騙しの言葉、そして簡単に大金を騙しとられる現実。現代社会にはこの特殊詐欺を支える構造的原因があると思う。一つは倫理や道徳が薄れ人を騙すことに心理的抵抗がない風潮である。二つには、金を持ちながら冷静に事態を判断できない高齢者の大群の存在。しかも高度で複雑な社会の仕組みが彼らを取り巻いている。社会全体で撲滅に当たらねばならない。NHKが毎朝「私は騙されない劇場」をやっている。金融機関も防止に必死である。しかし敵は研究を重ね手を替え品を替えて攻め立てる。犯罪に関わる若者には罪の意識はほとんどないようだ。一種のビジネスと化している状況を法治国家は克服しなければならない。

◇今日(19日)、この特殊詐欺と暴力団の関わりが高裁で判断される。暴力団がこの犯罪に関わっており資金源としていることは容易に想像される。しかし、そのトップの責任を追及することは至難の技だ。いつもトカゲの尻尾切りで終わっている。暴力団対策法は「傘下の組員が暴力団の威力を利用して資金を得た場合、トップも賠償責任を追う」と定める。現在、この規定を踏まえてトップに対する民事訴訟が起こされている。難しい点は「威力を利用した」ことの認定である。組員が特殊詐欺をした以上、威力の利用を認定すべきではないか。高裁の判断を私は息をのんで待つ。

◇前代未聞の裁判劇が展開された。無期懲役刑の判決に万歳三唱で喜ぶ被告の姿。呆れて開いた口がふさがらないとはこのことである。被告は新幹線の中でナタで乗客に切り付け、止めに入った男を殺し、他を傷つけた。無期懲役によって刑務所で暮らすことが願望であった。万歳は願いが叶ったことに対する喜びの姿であろう。裁判所はこのような男を適切に裁くことは出来ないのか。法秩序が嘲笑されている光景である。この男の生い立ちと背景が知りたい。冷たい鉄扉の中で目覚めることはあるのであろうか。今日は午前6時にある政治家に会うために5時半に家を出る。それまでに「水行」から「走り」に至る全てを終了させる。(読者に感謝)