人生意気に感ず「香港の地滑り的勝利。今後の動きに世界は固唾。日本の危機との関わり」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「香港の地滑り的勝利。今後の動きに世界は固唾。日本の危機との関わり」

◇香港のデモは全く意外な決着となった。民主化を求めて戦ってきた勢力が、中国という強権が背後に控える中で選挙という民主的な方法で圧倒的な勝利を得た。民主化を求めて戦う若者は誰もが1989年の天安門の悪夢を恐れた。天安門に集まって民主化を求めた中国の若者は軍隊の突入により戦車で押し潰された。

 長いこと民主主義の自由な空気を享受したホンコンの若者は天安門事件が象徴する恐怖の政治を恐れた。犯罪人を中国に引き渡すことを可能にする条例の改正は民主主義の崩壊と天安門の再来を意味する。一国二制度が実質的に骨抜きになる。若者の過激な動きに眉をひそめる人も多かったが市民の大勢は若者を支持し、世界の世論も応援した。世界の空気は最近の中国の強引な覇権主義に危機感を抱いた。そして、アメリカと覇権を争う超大国・中国はかつてのような無謀は出来なくなっていた。しかし、過激な運動には限界がある。どのように終息を迎えるのか。ギリギリの限界に来ていたと思う。このような状況で選挙という、正に天が与えたチャンスを迎えることになった。

 林鄭月娥(リンテイゲツガ)という奇妙な名の女性行政長官の当惑する姿が度々テレビで報じられた。選挙の実行は中国と結んだ彼らの戦略として大きな誤算であった。過激な若者たちの選択と決断は賢明であった。暴力により秩序が乱れて公正な選挙が望めないなら選挙は実施しない、延期すると行政庁官は表明していた。若者たちはしばし拳を降ろして選挙を実現させた。結果は空前の大勝利となった。日本でよく使う「地滑的勝利」である。民主派は全体の8割を超す議席を得た。親中国派の敗北は目を覆うばかりであった。民主派は全議席452の内385を得たのに対し、親中派は何と59議席である。

◇この結果を香港市民がどう活かすかを全世界が固唾をのんで見守っている。「勝ってカブトの緒を締めよ」という諺がある。中国がこのまま容認する筈はない。アメリカと覇権を争う中国は民主主義の流れを変えようとしている。それは世界の民主主義の危機でもある。そして日本の政治情況にも大きく関わることである。

◇香港のデモを見て、私はかつての日本の学生運動を振り返った。現在の学生は魂を抜かれたように力がない。これこそ日本の危機である。(読者に感謝)