人生意気に感ず「韓国のジーソミア失効回避。教皇来日の意味・その1」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「韓国のジーソミア失効回避。教皇来日の意味・その1」

◇はらはらして見ていたが、韓国は土壇場でジーソミア失効を回避した。日韓の軍事情報に関する協力の協定である。北朝鮮の動きを中心として東アジアの情勢は極めて緊迫している。それに備えるために日米韓3国の連携は増々重要になっている。北朝鮮は核開発を加速させ弾道ミサイルの発射を続け、中国は南シナ海に軍事拠点を造り、力による現状変更を強引に進めようとしている。中国との間で覇権を競うアメリカは、現在中国に押され気味である。これ以上の中国の進出をアメリカは許せない。ジーソミア失効は北朝鮮と中国に対抗する砦の一角にゆるみを作ることを意味する。米国が韓国に露骨な圧力を加えた背景はここにある。日本は韓国に対して不当な植民地支配を行ったという歴史的な負い目がある。しかし歴史は生きている。過去を踏まえつつも現実を直視し先を目指さねばならない。韓国は今回の事態から多くのことを学んだに違いない。

◇教皇フランシスコの来日は、重々しい、そしてやりきれないようなドロドロした世界情勢の中に吹き込む一陣の涼風である。世界の13億人のカトリック信者の頂点に立つ教皇の姿は人類の良心の象徴とも見える。私は壮大な歴史を振り返り、過ちを犯しながらも前進を続けてきたカトリックのうねりが眼前に現われたことに目を見張り感動している。フランシスコが南米アルゼンチンの出身であることも注目する点である。コロンブスの新大陸発見を契機にカトリックは中南米に広がり残虐の限りを尽くした歴史がある。南米出身のこの教皇の視線には貧しさや虐げられた者への優しさが感じられる。広島・長崎を訪れ核廃絶を訴えることはフランシスコにとって極く自然であるし、大きな説得力がある。

 宗教は人類にとって永遠の課題である。2千年の時を超えて人間の精神の問題としてカトリックは根を張り続けている。私はカトリックの一員であるが教会に出席するのは稀である。先日、ふとしたことからプロテスタントの教会のミサに初めて参加し、またふるさとともいうべき前橋カトリック教会で手を合わせた。ステンドグラスからこぼれる光は邪悪なものが渦巻く私の心を突き刺した。フランシスコの来日は病める日本人の心に何を訴えるであろうか。ザビエルは日本人のことを「貧しさを恥じず誉を重んじる」と記した。清貧のことである。(読者に感謝)