人生意気に感ず「貴州省からの報告。その2」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「貴州省からの報告。その2」

◇8日、貴州省体育局を訪ねた。今年6月に調印した「覚書」の中心項目の一つに体育の交流があった。今回の「訪貴」の目的は「覚書」の中味を具体的に前進させることである。

 私は今月3日、群馬マラソンで10キロを完走した。「来年は是非とも皆さんと一緒に走り共に汗を流したい」と語ると、「必ず実現します」と蘆副省長は答えた。和やかな会談の中で、今朝も早朝走ったことに触れると驚きの声があがった。私は更に交流の実をあげるためにはお互いの伝統文化の理解が必要であると発言し、「京劇」を群馬で観たいと願った。

◇この日の午後、「桃源河」の開発地域を訪ねこの一画で進められている温泉計画を視察した。大型バスで2時間位の行程は貴州省を知る上で大変重要であった。日本と似た光景が遠くまで広がっている。昨日、飛行機の中で隣りの中国人に教えられたことがあった。「都会では高層住宅が並び一戸建ては非常に少ないが、地方に行くと多くあります」ということであった。目の前に展開されている景色は機上の人が話した通りであった。貴州省は山の国という予備知識の通り多くの山々が前方に稜線を重ね大海のように広がっている。その山々に抱かれるように一戸建ての家が点在している。それは日本の農村風景と変わらない。古い中国と日本に出会った思いで私はほっとするものを感じた。

 桃源河の地区は絶壁と奇岩を刻むように渓流が走り、かつての吾妻渓谷を連想させた。観光客が大勢いるあたりで私たちは省が用意した数台のマイクロバスに分乗した。流れに沿い連なる絶壁を縫うように細い道が走る。渓谷を抜けると別の世界が現われた。山の急斜面を覆うのは段々畑とそこに植えられたみかんの木である。段々畑が尽きるあたりに規模の大きい温泉施設があった。ここで少数民族の衣装をまとった少女たちの出迎えを受け、施設の幹部から温泉計画の発展について相談を受けた。伊香保や草津に学びたいというのだ。

◇夜、京劇を観た。豪華絢爛の衣装をつけた俳優とダイナミックな動きに引き込まれた。「出し物」は貴妃酔酒、天女散花、白水灘で、これが中国の伝統芸術かと感動した。劇終了後、壇上で俳優たちと写真を撮った。私は真赤な衣装の美女と握手した。中国は今、怒涛の変化を遂げつつある。その中で古い中国と伝統文化が呑み込まれていく恐怖を感じる。日中友好の絆は伝統文化の交流で本物になると思った。(読者に感謝)