人生意気に感ず「19号襲来の意味。大災害に目を醒ます時。毎日新聞で田中正造の連載が始まった」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「19号襲来の意味。大災害に目を醒ます時。毎日新聞で田中正造の連載が始まった」

◇大型で強い台風19号の接近は首都圏の人々に緊張感を持って迎えられた。「かつて経験したことのない災害」、「生命の危険にかかる」、「大雨特別警報の可能性も」。このような報道が繰り返しなされ、そしてそのようになったのだ。私は小学生の時経験したキャサリン台風を想像した。1947年9月15日の台風は関東地方に未曽有の大風水害をもたらした。あれから72年が経った。大雨特別警報とは50年に一度の雨量が予想される時に出される。テレビは瞬間最大風速60mとさかんに叫んでいる。私は最近の異常気象からこれらの予測は間違いないと直感した。養生テープなるものをコメリで買い込み窓ガラスに貼った。

 12日夕方、雨は滝のように激しくなり風は爆音のように響く。遂に「大雨特別警報」となり、それは群馬県に、更には前橋市に及んだ。

 テレビは各地の状況を伝え「命を守るために最大の努力を」と訴え、かつて1,200人以上の犠牲者を出した狩野川台風に匹敵すると強調した。都会のマンホールは水を吹き上げ人影はほとんどない。各地のダムの緊急放流が報じられる。私は台風銀座と呼ばれる西日本の惨状を思った。19号は、他人事と考えていた自然災害が自分たちと直結していることを教えることになった。これは、これから常態化するであろう災害の時代の序曲に違いない。

◇群馬県の大雨特別警報は0時10分に解除された。雨も風も止み嘘のように静かになった。空には満月に近い月が輝き静かな白い雲が流れている。午前1時過ぎ私はロイヤルホテルと日本アカデミーに向かった。この組織の責任ある立場として気にかかることがあったのだ。氾濫の危険が報じられていた利根川は月明かりの下で濁流が唸りをあげている。自民党県連の裏をのぞくと石段の半ばまでを波が洗っている。これもかつてない光景である。凝視する目の前を光るものが過ぎて行った。スマホであろうか。その主はどうなったのかと想像を巡らせた。被害の全容が明らかになるであろう。首都東京は大災害に弱い。「安全神話にあぐら」の本県も目を醒ます時となった。

◇12日、毎日新聞(群馬版)に「甦る田中正造―死の川を抗してー」の第一回が載った。「悪魔になった神通川」に何人かの人から感想が寄せられた。この連載の中でも利根川の氾濫を描くことになる。夜の濁流に正造の叫びを聞く思いであった。(読者に感謝)