人生意気に感ず「イノシシ豚コレラの感染確定。八ツ場湛水の現場。田中正造の連載開始」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「イノシシ豚コレラの感染確定。八ツ場湛水の現場。田中正造の連載開始」

◇遂に県内でイノシシの豚コレラ感染が確定した。養豚業者の悲鳴が聞こえる。藤岡市と上野村で捕獲された野生イノシシである。先日埼玉県の群馬県境近くのイノシシで確認された時、群馬県内でのイノシシの感染は時間の問題だと思っていた。イノシシに県境はないからだ。イノシシは多産である。今回幼獣に確認された。この家族への感染が心配である。

 県は、捕獲地点から半径10キロ圏内の養豚場を「監視対象農場」に指定した。農場の豚に感染すれば全頭が殺処分になる。農家は対策として早期のワクチン接種を求めている。「豚の命を奪われるのは人生を奪われることに等しい」と訴える養豚業者の声が身に染みる。全財産を失うほどの打撃を受けるに違いない。

◇豚コレラ対策には関連隣接県の連携が求められる。特に県境を越えて動く野生イノシシについては情報の共有が喫緊の課題である。山本知事は栃木県知事とテレビ電話で対策を協議した。両県が関東各都県の知事に呼びかけ関東で連携してワクチン接種などを国に働きかけるという。関係する各県が力を合わせれば凄い力を発揮することが出来る。私はそのことを八ツ場ダム推進に関する一都五県の連携で経験した。

◇4日朝、私は草津の栗生楽泉園へ向かった。気温は高いが周囲の山々には秋の気配が漂っていた。長い雁ヶ沢トンネルを抜けると目の前が一気に開け、そこが八ツ場ダム建設の現場であった。試験湛水開始が報じられたため、多くの人が訪れていた。満水となった光景は素晴らしいに違いないが太古からの歴史を刻んだ山河や村が湖底に消えることを淋しがる人は多い。訪れる人の中には水没前の最後の姿を見たいという人も多いに違いないと思った。展望用の丘から見下ろすと遥か下に一筋の流れが光って見える。その周辺に道路や集落の跡が広がっている。あの細流が目の前の空間を全て埋めて海のように広がる光景を想像した。日本武尊が「吾が妻よ」と叫んだという伝説と結びつく歴史の一部が湖底に沈む。

 今月12日(土)から「甦る田中正造―死の川に抗してー」の連載が毎日新聞(群馬版)で始まる。隔週、週一回でスタートするが毎週の方向である。渡良瀬川鉱毒問題は公害の原点である。明治天皇直訴に見られるように田中正造は命をかけて権力と闘った。その姿は今日的課題を訴える。それを「甦る」に込めて書き進めている。(読者に感謝)