人生意気に感ず「ワールドラグビーの目を見張る動き。若者たちの凄さ。香港及び気候マーチ」
◇優勝候補のアイルランドを下した。格闘技のような巨体のぶつかり合いに私は唸った。日本中が歓喜の渦に包まれている。ここまで来るのに大変な試練の道があったに違いない。体と身体のぶつかり合いという点ではサッカーの比ではない。この勝利の裏には大変なドラマがあったに違いない。試合を見ながら私はそう思った。体力とは肉体だけではない。精神も体力の重要な一部である。また技術もその要素に入るに違いない。世界一の体力づくりを目指したというが、それはこの意味の総合的体力のことであろう。選手たちは試合の日、どのような心境で臨んだのであろうか。
試合当日の朝、指揮官は選手に語ったという。
「誰も勝てるとは信じていない。しかし俺たちがやってきたことは誰も知らないのだ。自分たちを信じて戦おうではないか」
戦いに於いて勝敗を決める重要な要素の一つは志気である。志気といえばサムライである。日本の精神文化を象徴する武士道は、昨今消えうせた感がある。武士道の本質は守るべき価値であるが戦争を否定する平和憲法と調和せねばならない。今日の道徳の中で生かすべきであるが、闘争的場面ではスポーツである0。ラグビー選手の心にも武士道の志気が燃えていたと思いたい。連勝をどこまで伸ばせるか、元気のない日本人の精神に喝が入ることを期待する。
◇今の世界の大きな歴史的特徴は香港のデモ及び現在全国で展開されている温暖化対策を求める動きである。香港の動きは民主主義の危機を訴える若者たちの姿であり、天安門事件で強権を発動した超大国中国が手をこまねいている。私は地球環境で動き出した世界の空気が無関係ではないと思う。
若者を中心として世界各地で動いている「グローバル気候マーチ」は27日、驚くべき規模になった。スウェーデンの少女グレタさんが火付け役となった動きである。イタリア、ギリシャ、オランダ、スイス、フィンランドなどのヨーロッパ各国、そして南米でもチリやアルゼンチン等の国々で学生たちが立ち上がっている。彼らは自分たちの未来に直接関わることとして温暖化に危機感を抱いている。私はこの動きは一時的なものでなく永続すると思う。一方で世界には偏狭なナショナリズムが台頭している。ナショナリズムは連帯が出来ない。若者の動きはそれを突き破って連帯する本質を有している。(読者に感謝)