人生意気に感ず「原爆の日と戦争を知らない人々。浅間山は眠りから覚めるか」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「原爆の日と戦争を知らない人々。浅間山は眠りから覚めるか」

◇広島は6日、被爆から74年目の「原爆の日」を迎えた。原爆の投下と74年、この二つの現実の意味と関係は極めて重い。原爆の投下は想像を遥かに超えた非人道的な害を意味し、74年は原爆投下の現実を知らない世代がこの世で大多数を占めることを意味する。当時私は4歳であった。小学生の時の映画観賞で「ピカドン」という表現で語られた地獄の現実を初めて知った。74年の歳月と共にあの地獄が遠ざかっていく。この忘却の流れを食い止めることが今求められる日本の最大の課題である。

 歴史は繰り返される。それは進歩しない同じ人間が現実の歴史を支えることを考えれば当然ともいえる。現在の世界情勢はにわかにきな臭くなってきた。トランプと金正恩が吠え合っている。中国が世界に向けて覇権を展開しようとしている。

 6日、広島市長は平和宣言で「今世界では自国第一主義が台頭し国家間の排他的対立的な動きが緊張関係を高めている」と訴えた。そして更に「二度の世界大戦を経験した私たちの先輩が決して戦争を起こさない理想の世界を目指し国際的な協調体制の構築を誓ったことを私たちは今一度思い出し人類の存続に向け理想の世界を目指す必要がある。特にこのことを、次代を担う戦争を知らない若い人に訴えたい」と述べた。

◇8月15日が近づく、毎年の戦没者慰霊式の参加者が年々少なくなっている。私は県会議員の時、この現実を憂えて、小中高の生徒の参列を提案した。それは代表者が極く少数参加するだけに終わったが、戦争を知らない子どもたちを多く参列させる必要性が今増々大きいのではないか。

◇浅間山の噴火に驚いた。噴煙は1800mを超え、県は災害警戒本部を、嬬恋村は対策本部をそれぞれ設置した。私の子どもの頃は頻繁に噴煙を上げていた。長く続いた無口な状態に私は不気味なものを感じていた。東日本大震災の時は、あれだけの地下の動きは浅間にも影響を及ぼすに違いないと思った。最近は日本列島ばかりでなく世界の多くの場所で地震や火山の動きが活発となっている。相互的な関連はあるのだろうか。天明の大噴火から236年余りが過ぎた。私は時々嬬恋村の観音堂を訪ねるがその度に当時の凄さとそこに巻き込まれた人間の運命に驚く。「天明の生死をわけた十五段」の言い伝えは生々しい。(読者に感謝)