人生意気に感ず「あと一年。東京五輪の歴史的意義。ハンセン家族への謝罪」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「あと一年。東京五輪の歴史的意義。ハンセン家族への謝罪」

◇24日、東京五輪開幕まで1年となった。前回、昭和39年の東京五輪を振り返ると、あれは日本の社会を大きく変えた。55年が過ぎ、この間世界の情勢は激しく動き日本も大きな変化を遂げた。このような状況で開かれる今回の東京五輪は日本にとって、また世界にとって極めて大きな意味を有するに違いない。

 私は今回の五輪を考える上で重要な視点が二つあると思う。一つ目は五輪を囲む困難な状況を克服して成功させねばならぬこと。二つ目はこの五輪がもつ大きな意義である。両者は密接に関連する。大きな意義のためにも困難を乗り越えねばならないからである。

◇五輪を囲む難題について。夏の酷暑、交通問題など様々あるが、私はテロを最も恐れる。期間中、一千万人を超える人々が訪れると予想されるが、前回と大きく異なることは国際テロが一層激化している点である。手段も巧妙化している中で防ぎようがないのではと恐れる。治安当局は最も神経を使っているに違いない。平和の祭典は一つのテロ行為によって崩れ去る累卯の危機にある。

◇現在の世界では分裂の危機が加速している。宗教、人種、難民、経済等々について対立を激化させ、多くの指導者は自国第一主義を掲げている。オリンピックは平和の祭典である。共に汗をかき心を一つにすることで世界の平和に繋げねばならない。現在の世界情況を考えると日本で五輪が開かれる意義は誠に大きい。日本が、そして日本国民が試されている。

 この祭典が人間尊重、平和主義、国際協調を高く掲げる日本国憲法の下で行われることに歴史的な意味がある。

◇ハンセン病家族訴訟に関して安倍首相は「政府を代表して心から深くお詫び申し上げます」と謝罪した。これに対し原告団長は控訴せずの決断に謝意を述べ「無知こそ差別の始まり、社会の誤った認識を正す啓発と教育に私たちの声を生かしながら国の総力をあげて取り組んで頂きたい」と訴えた。

 私は小説「死の川を越えて」の中で、「無知が差別を生み国の誤った政策がそれを助長する」と訴えた。今回の判決の中で裁判長は文科相の責任を指摘した。教育界は重く受け止めて対応すべきだ。草津楽泉園の差別の現場を人権を学ぶ場にしたいとの願いで「人権の碑」の建立が完成に近づいている。除幕式は11月15日の予定である。大きな流れが起きている。(読者に感謝)