人生意気に感ず「孔大使着任の決意を語る。新しい日中の関係とは」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「孔大使着任の決意を語る。新しい日中の関係とは」

◇3日、ホテルニューオータニで行われた中国大使着任のレセプションに出席した。孔鉉佑氏は夫人と共に会場入り口に立って丁寧に応対した。私は「群馬県日中友好協会の会長です」と言って名刺を渡し夫妻と並んで写真を撮った。午後6時、直ちに大使の挨拶となった。選挙の情勢が緊迫しているためかいつものように国会議員等の姿はこの時点で目につかない。私はメモ用紙に大使の発言を書き取った。親日家と言われるだけあって日本語は流暢であった。次のような点が胸に響いた。①任期中に各地を少しでも多く回り日本をより深く知り、両国の友好交流の増進のために全力を尽くす。②習近平主席はサミット前夜安倍首相と会談し、多国間主義と自由貿易体制を守ることに重要なコンセンサスを得た。そして新しい時代にふさわしい中日関係を構築することで一致した。(この点は、孔大使の挨拶の中で一番重要な点だと思いながらメモした。トランプ大統領の一国主義と保護貿易を意識した発言と思えたからである)③習主席は、来春日本を公式訪問して欲しいという安倍首相の招請を原則的に受け入れた。④中日関係は幾度か波風を経験し、多くの心血を注いで今日の関係に至った。いずれの世代も、その世代ならではの責任を有し、いずれの世代もその責任を果敢に担わねばならない。我々の世代にも担わねばならない歴史的責任がある。私はこの責務を引き受けたことを光栄に思う。⑤今年は中華人民共和国成立70周年で、日本も令和の時代に入った。共に新しい歴史的スタートラインに立った。我々は共に努力し新しい時代にふさわしい中日関係を構築するために悔いのない新たな貢献をしようではないか。

◇前任の程大使は一見ソフトで柔和な印象を与えたが孔大使には毅然とした雰囲気が見られた。米中の対立を背景にしていることを感じた。中国はその歴史上初めて世界で覇権を競うと評される立場に立つに至った。その中で、また、そうであるからこそ、日本としっかりした関係を築くことは極めて重要である。孔大使の表情にはそれが窺えた。挨拶の中にあった「歴史的使命」を胸に深く刻んでいるに違いないと思った。この光景をとらえようとするカメラの砲列にも緊張感が感じられた。

◇帰途、高崎駅で2人の外国人の若者が「先生」と言って笑顔で声をかけてきた。ニホンアカデミーのベトナム人留学生だった。嬉しかった。(読者に感謝)