人生意気に感ず「大阪に凝縮される世界情勢。白根開善学校のこと。ねどぶみの里で」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「大阪に凝縮される世界情勢。白根開善学校のこと。ねどぶみの里で」

◇緊迫の世界情勢の凝縮した姿が大阪で展開された。安倍首相は存在感を示すことが出来たようだ。米中首脳会談が行われ、G20大阪宣言が出された。私はトランプ大統領と習近平主席との会談はある程度うまくいくと予測していた。これ以上貿易の対立を激化させることはアメリカとしても無理であったからだ。

 中断していた貿易協議の再開、中国に対する制裁関税を当面は引き上げないことなどが決まった。世界中の多くの人が胸をなでおろしたことだろう。

◇トランプ氏は30日、板門店で金正恩氏と会った。私もかつてここを訪れ軍事境界線上のテーブルを回り北朝鮮に一歩入った経験をもつ。トランプ氏は現職米大統領として初めて北に足を踏み入れ「とても特別で歴史的瞬間だ」と語った。非核化交渉チームを作るという。日本としては制裁を維持して欲しい。この点大統領は「維持されるが外すことを楽しみにしている」と語った。役者ぶりと行動力には驚かされる。拉致問題の行方が気になる。

◇30日、小雨の中白根開善学校の開校41周年記念式典で挨拶した。創立時の二つのエピソードを紹介し誇りを持てと訴えた。一つは寄付金及び入学金返還を巡り訴訟となったこと。この訴訟は東京地裁で和解となった。裁判長は伊達判決(自衛隊は違憲と判示)で有名な人で、学校側に有利な和解案だった。伊達氏は本吉氏に「良い学校なのだから頑張って下さい」と言った。もう一つは学校設立の認可が進まない状況下で当時の清水知事が「こういう学校は必要だ」と言って後押しした事実である。私は山の学校には教育の原点があると強調した。

◇帰途、嬉しいことがあった。白根山中の「ねどぶみの里」に寄ると三人の老婆が話している。この人たちは菅でゴザや草履を作って売っている。年齢は85歳くらいの人たちである。テーブルには漬物が並び温かい空気が漂っていた。話が弾む中で私が自分のことを話すと、一人の女性が急に瞳を輝かせて言った。「私は上毛新聞のハンセン病の小説を毎回とても楽しみに読みました」。私が驚いた顔を向けると「あそこのハンセンのことは少し知っていたので引き込まれて」とも。私の書斎にはここで買ったゴザが敷かれている。不思議な縁を感じて私は三人の女性と握手した。そしてこの「里」がいつまで続くか心配であった。(読者に感謝)