人生意気に感ず「憂うべき戦争の変化。北の挑発は何を。象徴天皇の姿」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「憂うべき戦争の変化。北の挑発は何を。象徴天皇の姿」

◇11日、高崎音楽センターで前防衛大臣の講演を聴いた。その中で驚くべきことが語られた。前大臣が「腰を抜かすようなこと」と表現したことは、2014年ロシアのクリミア侵略の状況である。宇宙、サイバー、電磁波という用語で語られたことは近代戦を一変させるもので、アメリカのマクマスター氏が「このままではアメリカは勝てない」と証言した事実と共に、聴く者の肝を冷やすような話で、私はSFの世界かと思い、千数百の聴衆は水を打ったように静まり返っていた。

 要点は次のようであった。ロシアの電磁波攻撃により、停電が起き、ドローンは落ち、レーダーは真っ白になって機能しなくなった。また砲弾の信管が働かなくなることまで生じたという。「ハイブリッド戦」という表現が使われた。今、アメリカ議会を中心にして大きな問題になっているトランプ大統領に対するサイバー攻撃を連想しながら私はこの話を聞いた。このような現代の戦争の様相は日本の安全保障にも大きく関わる。

◇この講演は戦争の現実がますます機械化していることを窺わせる。事実、戦争のAI(人口知能)化が進んでいると言われる。戦争から心の要素が失われ、指先一つで重大事が動く冷たい戦争の世界が広がっている。戦争の恐怖、平和の尊さは、このような冷酷な事実を踏まえて考えなければならない。

 北朝鮮がまたミサイルで挑発行為を行っている。講演で「シビリアンコントロール」という言葉が使われたが、この民主的抑制が効かない独裁国のミサイルと核は「何とかの刃物」の刃物、凶器である。経済制裁によって北朝鮮の国内経済は、私が想像する以上に追い詰められているらしい。ミサイルの発射はそのあがきを示すものかもしれない。「窮鼠猫を噛む」という諺を思い出す。トランプ大統領を思慮を欠いた猫と評する人もいる。間に立つ令和の日本の存在を脅かす世界情勢である。

◇「水運史から世界の水へ」の主要部を読んだ。令和天皇の皇太子時代の講演録である。私が感じたことは「象徴制」を担う天皇にふさわしい姿である。「日本国民統合の象徴(憲法第一条)」として文化の面は非常に重要である。水の惑星といわれる地球の水は全ての命を支えるもの。天皇は水を汲むネパールの女性の光景を水に取り組む原点と語る。私たちは陛下と共に水の大切さをこれからかみ締めていかねばならない。(読者に感謝)