人生意気に感ず「留学生入学式の大波。敢行した『へいわ』の講義。ゲスペント(亡霊)が現われる」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「留学生入学式の大波。敢行した『へいわ』の講義。ゲスペント(亡霊)が現われる」

◇昨日はNIPPONアカデミーおもてなし学院の入学式が行われた。639人の若者たちの瞳は輝いている。世界の人々と共生するという時代の潮流が足下まで押し寄せていることを感じた。遠くアフリカのカメルーンやブラジル、ハイチの若者もいる。多いのはネパール、インドネシア、スリランカ、ベトナム等の新興国である。彼らの表情からは日本の若者が失ったものを内に秘めていることが窺われる。私はマイクを握って強調した。

「皆さんは大きな歴史的転換点に立っています。今、日本では平成という時代が終わり令和という新しい時代が始まろうとしています。日本は多くの難しい問題を抱えながら大きく変化しようとしています。しかし日本の若者には皆さんのような開拓精神がありません。海を越えてこの日本にやってきた皆さんの勇気に敬意を表します。皆さんは日本の礼節を学ぼうとしていますが、礼節を失った日本人こそ皆さんから学ばねばなりません。私たちは皆さんと力を合わせて新しい日本を築いていきたいと思います。このおもてなし学院は全力を尽くして皆さんの期待に応えたい。皆さんの前途は洋々としています。力いっぱい学ぶことによってその前途は皆さんのものになります」

 満堂の人々の間に静かなどよめきが起きるのを感じた。この若者たちは、NIPPONアカデミーで一つの過程を終えており日本語がかなりのレベルに達している。近い将来、日本の各地で彼らが生き生きと働く姿が目に浮かぶ。

◇この日は朝から多くの教室はオリエンテーションなどでごった返していた。本来ならこの状況では、朝の私の「へいわ」の講義は休講となるところであるが、「アンクルトムの小屋」の続きを敢行した。心機一転を目指し職員の心を一つにする必要があった。物語では逃亡する奴隷を救う白人たちが登場する。今回はクエーカー宗徒たちである。戦争を巻き起こしたと言われた原作者ストウ夫人の狙いが分かる。奴隷を救った白人の動きはアメリカの良心を現す。私はアメリカ独立宣言の一節「すべての人間は造物主によって平等に造られている」を紹介した。奴隷が人間なら平等でなければならない。奴隷解放はこの独立宣言の約束を果たす動きである。

◇現在、世界の民主主義におかしな動きが起きている。ナチスの亡霊が頭をもたげようとしている。私は大学1年の時学んだ「ゲスペンティッシュ・アーバービルクリッヒ」を思い出す。「亡霊的だが現実的」というエンツェンツベルガーの論文である。(読者に感謝)