人生意気に感ず「東京医大不正入試の意味。大震災は序曲。楫取素彦顕彰会」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「東京医大不正入試の意味。大震災は序曲。楫取素彦顕彰会」

◇東京医科大の不正入試問題で第三者委員会の調査結果が公表された。この問題が発覚した時、「まさか」とか「やはり」という大きな衝撃が社会全体に走った。今回の「公表」は薄れかけていた衝撃を甦らせるものだった。私は、医に対する信頼を根底から揺るがす重大事件だという認識を新たにした。

 臼井前理事長のメモに記された10人が全員合格し、これらは多額の寄付をしていた。合格発表前に特定の受験生の保護者にこの理事長は多額の寄付金を要求していた。「入学したらドカンと追加して下さい」、メールでこう要求したという。

 なぜこの問題が大変なのか。命を預ける医師への信頼に関わるからだ。手術に際し「この医師は裏口入学か」という疑念が生まれたらたまったものではない。今日の社会は全てが偽物で、騙し合いだという声があふれる中、「医師よお前もか」ということをこの事件は突きつけている。

◇東日本大震災から間もなく8年となる。史上空前の大災害が風化の危機にある。このような状況では最大限の教訓を引き出すという課題も期待できない。社会全体が激流に流される中、私たちは今こそ踏みとどまってあの時を頭に甦らせねばならない。

 あの災害が至上空前なのは「原発事故」を伴ったからだ。それはまだ終息していない。大震災直後、これは来るべき更なる大災害の序曲だと言われた。その後の各地の地震状況は序曲であることの真実性を思わせる。

 本県は最も安全という認識が広く支配している。「安全神話にあぐら」という表現にも人々は関心を示さなくなっている。私は県会にいた頃、弘仁9年の赤城山麓の歴史的地震を例に挙げて度々警鐘を鳴らした。また、このブログを利用して貞観の巨大地震に触れ、原発事故が人災であることを訴えてきた。

 平成が終わる。新元号と共に目前に迫った新時代は巨大災害の時代として歴史に刻まれるかもしれない。警鐘を鳴らすべき鐘の一つは県議会であるが、巨大な鐘は打つべき人がいない状態である。目前の県議選からはテーマが聞こえてこない。近づく災害に身を挺するサムライはいないのか。

◇4月6日に楫取素彦顕彰会を行うことになった。地下で初代県令楫取素彦は今日の群馬県の状況を憂えているだろう。今こそ、歴史の原点を見詰める時である。(読者に感謝)