人生意気に感ず「心愛さんの死。おそまつな行政機関。県都は無投票か」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「心愛さんの死。おそまつな行政機関。県都は無投票か」

◇小4の心愛さん死亡が大変な事態になっている。学校や児童相談所の不手際が問題を複雑化させた。父母の刑事責任追及に発展しつつある。心愛さんは学校のアンケートに「お父さんからぼう力を受けています」と訴えた。このアンケートのコピーを学校が父親に渡したために父親の虐待隠蔽工作が始まったらしい。心愛さんはその後「お父さんにたたかれたというのはうそです」と書いた。父親児童相談所に提示したこの書面が父親が書かせたものであることが分かった。児相はこれを軽信して心愛さんを自宅に戻した後に死亡が発生した。母親は状況を知りながら黙認したために共犯の責任を問われる事態になっている。心愛さんの胃はほぼ空っぽだった。食事を与えられなかった疑いがある。問題の核心は心愛さんを死に至らしめたことだが、この結果は児相など関係機関が命を守るという強い使命感をもっていれば避けられた筈だ。児相の所長は「命を守れず申し訳ない」と謝罪した。

 かつてはいじめによる死が多発したが今は虐待死が次々と起きている。同種の事件は背景となっている社会の状況と関係していると考えるべきだから、群馬県の教育界はこの事件を他山の石として緊張感を持つべきである。

◇兵庫県では小3の女児の顔を平手打ちしたとして母親が逮捕された。この女の子は自宅から「お母さんによくたたかれる」と110番したという。複雑な家庭の事情があるのだろうが、こういう時代になってしまったという感を受ける。

◇地方社会が抱える問題は多岐にわたり深刻である。少子高齢化、災害対策、そして教育等。これらに対して政治の役割、従って地方議会の使命は重大である。それにもかかわらず政治の信頼は地に落ち、地方議会の形骸化が叫ばれている状況である。地方議会を活性化させるために不可欠な選挙がおかしな事態となっている。激戦の歴史をもつ県都前橋が無投票になりそうなのはその一例である。地方は民主主義の要であり、地方の選挙はそれを支えるものだ。候補者が政策について発言し、それについて有権者が判断する。私は7期の県議生活を経験したがその間の選挙はいずれも激戦だった。政治家は選挙によって鍛えられる。無投票によって政治と政治家が一層劣化する恐れがある。大沢知事が不出馬と伝えられる。群馬に新風が起ることを期待したい。(読者に感謝)