人生意気に感ず「文科局長が息子を医学部に裏口入学とは。タイの洞窟の少年は」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「文科局長が息子を医学部に裏口入学とは。タイの洞窟の少年は」

◇文科省局長が収賄容疑で4日、逮捕された。こともあろうに自分の息子を便宜を図った見返りとして合格させたというのだ。群大附属病院を先日退院した私は、医学が自分の命に直結していることを肌で感じたばかりである。

 この事件の本質は重大である。文科省の顔に泥を塗ったと騒がれている。道徳教育を推進する司令塔が道徳に泥を塗ったのである。勇気ある現場の先生は「こういうことをしてはいけないよ」と道徳教育の材料として使うかもしれない。いや、むしろ笑い話の種にされるだろう。

◇裏口入学の実態が「医学部」の不正であることにも重大な意味がある。私は先日、前立腺手術で全身麻酔を受ける時、難しい麻酔の技術が細心の注意で行われたことを肌で感じた。

 もし担当医師が裏口入学者で、能力のない者であれば、患者は直接生命の危機に晒されることになる。医学の進歩には目を見張るものがある。それを支えるのは医師の能力である。医学部の入試が極めて難しいことにはこのような意味がある。

 容疑が事実とすれば裏口入学させた東京医科大学の責任は極めて重大である。人口減少社会が進む中で、私大は厳しい環境に置かれているが、東京医科大は自ら墓穴を掘ったようなものだ。同時に厳正であるべき入学試験に裏口があることを想像させ、医学部に対するそして医に対する国民の信頼を失墜させることになる。

 私個人とすれば局長の息子を憐れに思う。恐らく知らなかったのだろう。立ち上がれない程の打撃を受けているに違いない。

◇タイの地底洞窟の少年の生存が確認された。奥深い洞窟内の恐怖は大変なものに違いない。少年たちは探検隊の気分であったろうに、水位の上昇により暗黒の中に閉じ込められた。発見されなかったら、大変な悲劇に見舞われるところであった。しかし、まだ危機は続いている。脱出には相当な距離を潜水する必要がある。突如の水位の上昇は最近の異常気象も関係しているのだろうか。

 少年たちの災難に際し、誰もが思い起こすのはかつてチリの鉱山で起きた出来事である。多くの人が長い間地底に閉じ込められた。子どもであるだけに心の問題が最大の課題であろう。雨季との関係はどうなのか。無事の救出を祈るばかりである。洞窟探検はブームとなっているが、最近の異常気象の中で甘い計画は禁物である。(読者に感謝)