人生意気に感ず「司法取引の行方。日立の原発輸出。ドイツと原発」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「司法取引の行方。日立の原発輸出。ドイツと原発」

◇6月に入った。今日から司法取引制度が始まる。アメリカでは早くから行われていた。私はニュースや映画で観て、厳正な筈の公判手続きや捜査が取引されることに不思議な思いを抱いたものだ。そして、日本では有り得ないと受け止めていた。日本版として6月1日施行の改正刑事訴訟で実現される。民間人が刑事裁判に参加して有罪か無罪かを決める裁判員制度導入以来の衝撃。日本の捜査、公判は大きく変わる。

◇日本版の特徴は、共犯者の事件の捜査や公判に協力することだ。アメリカでは本人が自分の罪について認めるだけで刑の軽減に繋がる。日本版では、俗な表現をすれば共犯者・仲間を売る裏切りである。人間は弱いから密室での厳しい追及で少しでも逃れたいと思うのが人情。売られた仲間は大変である。それが嘘の供述なら冤罪に繋がるからだ。

 この点の担保として嘘の供述には5年以下の懲役という罰則がつく。供述の時点で告発される共犯者の防御手段(こちら側の弁護士の立ち合いなど)はない。これでは憲法31条の適正手段の保障の精神に反する恐れが指摘されそうだ。対象となるのは銃器・薬物犯罪や贈収賄、脱税、詐欺などに限られる。心情的には、今日本社会をシロアリのように犯す特殊詐欺(オレオレ詐欺等)に効果が現われればとも思うが。

◇日立の原発輸出に反対の声が上がっている。日立製作所はイギリスに大規模な原発を創る計画を進めようとしている。事業は3兆円規模で政府が後押しする企画である。

 福島第一原発事故は未だ終息しない。福島の被災地の惨状は依然として生々しい。核廃棄物の処理は目処が立たず、「トイレのない高級マンション」という批判がある。

 国会事故調査委員会は、「人災」と結論づけた。これらをつぶさに認識すれば原発反対の世界の世論は更に大きくなるだろう。ましてや海外への輸出に対する批判の声は大きくなるだろう。イギリスから反対を伝えるため住民団体の人たちがやってきた。人々は、日本政府と日立は再生エネルギーの技術を輸出して欲しいと訴えている。

◇原爆被爆国の日本が国内にとどまらず国外に原発を輸出することを世界の世論はどう見るか、ドイツが原発廃止を打ち出したことには深い意味があるだろう。原子のエネルギーを最初に発見したのはドイツ系の人々だったのだ。(読者に感謝)