人生意気に感ず「日大宮川選手の覚悟。出陣学徒代表・江橋先生を偲ぶ会」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「日大宮川選手の覚悟。出陣学徒代表・江橋先生を偲ぶ会」

◇悪質タックルの日大選手の記者会見は衝撃的だった。先ず驚いたのは宮川泰介選手の逞しい風貌である。遠景の中からクローズアップされて目の前に現れた感がある。激しいスポーツで鍛え抜かれたことを物語る。

 今回の事件は乱れに乱れた今日の社会で様々な問題を投げかけている。そして、問題の中心はスポーツとは何かである。

 宮川選手の表情には昔の侍の姿を偲ばせるものがある。分かったことは、宮川選手と両親は負傷選手と両親に謝罪に訪れていた事実。最初から謝罪に訪れようとしていたが、日大アメフト部に止められていたという。

 どういう形で終息するのであろうか。被害者側は警察に被害届を出したから、刑事事件として扱われることになるのだろう。この事件を機に日本中が、スポーツとは何か、スポーツと教育の関係を考え、議論し、成果が生まれることを期待したい。

 スポーツが勝利至上主義に走り過ぎている。スポーツは全国民のものである。人生百歳時代の入口に立ち、それを支える柱の一つがスポーツである。今回の事件を機にスポーツが本来の姿に立ち戻ることには測り知れない意義がある。

◇江橋慎四郎さんがほぼ一世紀の生涯を終えられ、偲ぶ会が来月行われ、私も出席する予定である。私は日本チュックボール協会の会長であるが、これは「次は中村君が」という先生の声で決まった。江橋先生は東大名誉教授をされながら様々なスポーツに関係された。日本チュックボール協会の会長もその一つであった。

 先生はスポーツマンにふさわしい健康長寿を貫かれた方である。温和な人格者であるが、激しい生涯を生きられた方と拝察していた。

 先生の人生で最大の出来事は昭和18年末の学徒出陣であったに違いない。雨の神宮外苑で全都の学生は行進し、東条首相が激励した。この時、出陣学徒を代表して答辞を述べた人が東京帝大の江橋慎四郎さんであった。先生が「もとより生還を期せず」と叫ぶ姿を私はNHKの記録フィルムで見たことがある。この学徒出陣は日本が敗戦に向けて抜き差しならない状況に至ったことを物語るものであった。翌昭和19年東条内閣は総辞職する。私は、ある時この事に触れようとしたら先生は避けられた。万感の青春の思いがあったに違いない。偲ぶ会は6月23日、学士会館で行われる。(読者に感謝)