人生意気に感ず「講演・ハンセン病の歴史が現代に問うもの。明日18日である」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「講演・ハンセン病の歴史が現代に問うもの。明日18日である」

◇今週は誠に忙しい。ざっと挙げれば、15日(水)、毎週水曜日に実施する「へいわ845」の講義で「命のビザ・杉原千畝」を語り、明日18日は人権についての記念講演を行い、19日はみどり市の公聴会で議員定数の問題で学術経験者として意見を述べ、夜は「ふるさと塾」である。ぐんまマラソンで、過日10キロを完走したが、その続きを走っているような充実感を味わっている。

◇明日の記念講演とは、日本福祉大学が毎年どこかの県で実施しているものの一環。今回は群馬県の番で「第29回社会福祉セミナー」として行われる。テーマは「だれもが人間らしく生きられる社会のために - ハンセン病の歴史が問うもの」。新前橋の社会福祉総合センター8階大ホールで12時50分開始である。入場無料で多くの人の参加を望んでいる。

 私の話は、ハンセン病の歴史は迷信と誤解で人間を押し潰す過程であり、国家の誤った政策が差別と偏見を生みそれを増幅させたという事実が中心になるだろう。

「死の川」は草津の湯畑から流れ出る川で、その強酸性の故に生命の存在を許さなかった。この川の辺りに、死に直面する人々が助け合って生きていた。死の川の呼び名はこのような事情に由来する。

 国の誤った政策とは軍国主義の流れの中で行われた。一致結束して「聖戦」を戦い抜くためにハンセン病は大きな妨げと考えられた。その存在は国辱とされ、絶対隔離政策が展開される。その象徴ともいうべきものが草津の「重監房」であった。それは、ナチスのアウシュビッツともいうべき恐ろしい牢獄であった。

 小説では、ここに入れられた人々をかつお節で助ける話、国の隔離政策に反対して信念を曲げなかった京都大学の医師などが登場する。小説の底に流れるものは「人権」である。

 死の川が生命の輝く川となるためには、国家の誤りを正さねばならない。主人公の一人、万場軍兵衛は、国を相手に裁判を起こすべしと言って世を去った。

◇高齢社会が進む中で先のない命を価値のないボロくずのように扱う風潮が生じている。これは人間とは何かを問う問題であり、人権の問題に他ならない。汚いものを差別する思想は極めて今日的課題である。これこそハンセン病の歴史が現代に問うものである。講演では上毛新聞連載のイラストを使わせてもらう。(読者に感謝)