人生意気に感ず「日野原さんの死が問うもの。押し寄せる留学生と日本の将来。トランプのみじめさ」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「日野原さんの死が問うもの。押し寄せる留学生と日本の将来。トランプのみじめさ」

◇医師の日野原さんが105歳で亡くなった。手帳には110歳過ぎまでの予定がびっしりということだった。「生活習慣病」という言葉を生み出し定着させるなど「患者参加の医療」を目指し、常に医療の最前線で時代をリードしてきた。

 

「命を与えられたことを感謝する気持ちで生きたい」と言っていた。また、「年をとることは一歩一歩の未知の世界に足を踏み入れることで、こんな楽しい冒険はない」とも。これらの言葉は、この人の哲学、そして死生観を現していた。百歳を超えた現役の生の中で放つ言葉だけに説得力があった。

 

 百歳を超えて生きられる時代になったが、未知の老境に生きることを楽しい冒険と感じることこそ人間の素晴らしさの極致に違いない。人間には誰にもこういう可能性がある。この可能性を信じて守ることが人間の尊重の実現であり、人権尊重の目指すべき点である。日野原医師の生涯はこのことを天下に示した。

 

◇今の日本には非常に危険な兆候がある。相模原の老人施設の大量殺人事件はその一例である。重度の傷害をもつ返事も出来ない老人を汚物のように切り捨てる考えである。ナチスのヒトラーを思わせるものがある。日野原さんの言葉を噛み締める時だ。

 

◇昨日、私が名誉学院長を務める日本アカデミーの7月期入学式が行われた。100人を超える留学生たちの表情は生き生きとしていた。毎年多くの国から集まるが、今回も顔ぶれが多彩で、目立ったのはカメルーン、モンゴル、ベトナム、インドネシア、ネパールなどだ。国際化時代の凝縮した姿を見る思いだった。私は次のように挨拶した。

 

「海を越えて学びに来られた皆さんの勇気と熱意に敬意を表します。日本語だけでなく日本の文化、伝統、習慣をしっかり学んで下さい。日本は礼節の国と言われますが、今それが崩れようとしています。皆さんは新しい風であり、新しい血液です。私たちも皆さんから学ぶことが多くあるのです」

 

◇トランプ大統領の支持率が30%台に落ちた。アメリカ大統領として最低の数字で、これは世界の秩序にとって深刻である。アメリカは民主主義、自由、正義を掲げて他国に影響力を示してきた。トランプの支持率の状況はこの人物の品格の低さに起因するだけに、アメリカと対抗する国にとっては絶好のチャンスに違いない。トランプを選んだ人々の胸のうちは何か。(読者に感謝)