人生意気に感ず「ネコの焼殺事件。障害者白書が問うもの。高齢社会の地平線。今年も10キロを」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「ネコの焼殺事件。障害者白書が問うもの。高齢社会の地平線。今年も10キロを」

◇昨日、NHKが3時のニュースでネコの死を報じていた。焼き殺されたらしい。「ネコの死をNHKが報じるとは平和ぼけの証拠だ」という声が聞こえた。

 

 NHKが報じたのは現代社会の病根がこの小さな事件に顔を出していると見たからに違いない。小さな命を焼き殺す行為は人の命の破壊に向けられる可能性がある。そう考えると不気味な大きな出来事なのだ。

 

 現代社会は矛盾に満ちている。それは人の心に恨みを生む。社会への不満は民主的なルールで解決すべきであるが、それが機能しないとき様々な事件に繋がる。ネコに火をつけた人の心の中を想像すると恐い。この文を書く私の側で愛猫トコがゴロゴロとのどを鳴らしている。

 

◇政府は13日、平成29年版障害者白書を閣議決定した。相模原殺人事件を冒頭で取り上げている点に注目する。障害者施設「やまゆり園」で元施設職員により入所者19人が殺害された事件は社会に一大衝撃を与えた。白書は元職員に障害者に対する差別意識や偏見があったと指摘している。私は抑制廃止研究会に属しているが身体不自由者の抑制が後を絶たない背景には福祉に関わる人の人権感覚の欠如があると思う。汚い、社会の役に立たないということで人間の価値を否定する行動が極端な形で現れたのが相模原事件だ。

 

 私の小説「死の川を越えて」の中でナチスの頃の「生きるに値しない命」が登場する。差別と偏見は人権に関する永遠の課題がある

 

◇2人に1人が癌に罹り、およそ3人に1人が癌で死ぬ。認知症の波が果てしなく広がっている。徘徊して帰れない老人のことが連日報じられている。高齢者は人類にとって未知の地平線である。そこに突き進むには勇気が要るし、自分の死生観を持つことが求められる、人類はどこへ向かうのか。日本はどこへ向かうのかと思う。

 

◇6月1日、群馬マラソンの10キロコースに申し込んだ。既に10数年も続けている。マラソンの日は11月3日。私の誕生日は10月30日なので、私の脚はマラソンと共に77歳の境地に踏み込む。体力の衰えは争えず、以前は50分台で走れたが、ここ何年かは1時間をかなりオーバーするようになった。走れることが幸いなのだ。人生の放物線を意識し、その曲線上に刻んだ様々な出来事を想いながら今年も走る。(読者に感謝)